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森の365日

フクロウ


森の哲学者、フクロウ


フクロウほど、魅力あふれる鳥はいない。
丸い顔に、まんまるの眼がいい。この顔には表情があって、親しみぶかくて、知的で、哲学的なところがある。
フクロウは姿もいい。フワフワの羽毛につつまれ、着ぶくれたその形がいい。それでいて、生きているという猛禽類のもつ魂が、どこかに感じられる。
さらに、夜行性ということで、その生活のすべてを神秘のベールにつつんだまま、私たちに想像させるだけの生きかたをしているのが、これまた不思議な魅力でもある。
これほどまでに魅力的な鳥だからこそ、私は、フクロウのことをもっとよく知りたいと思った。
自然のなかで生活する未知なる姿にあこがれ、それを発見し、驚きと感動を経験したかったからである。
そこで私は、南アルプス山麓の森に、フクロウと対話するための山小屋を建てた。電気工事もして、自然の大きなスタジオをつくってしまったのである。
照明がともり、センサーがセットされたそのスタジオに、フクロウは野生の姿そのままでやってきてくれた。
やがてフクロウは、私とも顔なじみになった。
「知恵の神様」「学問の神様」ともいわれるフクロウは、その高い学習能力にものをいわせて、私を受け入れてくれたのである。山小屋にいる私を、かれらの生活には完全に無害であることを認めてくれたからである。
そして、ハイテク装置をほどこされた「フクロウ谷」で、自由自在にその野生の姿を、私に見せてくれたのだった。  それは、私にとってはまさに、あこがれていた野生の世界を見る驚きと、発見の繰りかえしだった。

(写真集フクロウより 平凡社 ISBN4-582-52924-0 C0045)


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