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森の365日

死-Death in Nature 1994


死を見つめて

 


自然界には誕生の数だけ、死もある。毎年生命の誕生が爆発的に繰り返されて、膨大な死も続く。そして結果的に、死はあらゆる生物の生命を支えている。
そんな自然界の生死にカメラを向けてみると、死を待っている生物がたくさんいることに気づいた。いわば、他の動物が死んでくれないと生きていけない生物 がいたのである。これはまさに、「死」を前提として自然界は成り立っているのである。
こうしてみると、死は必要なことに気づく。あらゆる生物が輪廻転生を繰り返すために、死はなくてはならない。自然界の営みそのものは、こうして存在し続ける。この当たり前にして大切なことを、今日の私たちは忘れてしまった。
誕生の瞬間ばかりを美しく捉える「花鳥風月」で自然を見るのではなく、死後の世界も知っていいのではないか。他の生物に食われて自然に形がなくなってい く。それこそが、自然の生命としてもっとも幸せなことかも知れない。そして、多くの生き物が、死んだあと妊娠期間とほぼ同じ時間で土に還っていくことがわ かった。
生命体の大家さんである地球から『選ばれた生命』として、住んでもいいことを許してくれた時間を大切にしながら、僕も生きてみたい。写真を撮ってみて、僕はつくづくそう感じた。


 

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