2009-11-30 Mon  [ 料理・食 ]

「鷹匠鍋」を食らふ…

by gaku


その昔、日本で鷹狩りがさかんなころは、「鷹匠鍋」という野趣に富んだ料理があった。
いわゆる、タカが捕らえたカモを、鷹匠がフィールドで料理して食べるというものだ。

「鷹匠鍋」は、鷹匠がタカのコンディションをみて「今日は獲物が捕れる」と判断すれば、まず焚き火をして鍋を火中に入れて焼いておく。
そのあいだに、猟に出かける、のだ。
鍋といっても、硯くらいの大きさをした厚さ2cmほどの打ち出し鉄板である。
いわば、腰に下げても邪魔にならない大きさで高熱を保持するものならば何でもいい、のである。

材料は、カモ1羽、長ネギ、塩or醤油。
カモは、水のついた包丁で捌いてはならない。水がつけば、肉がいきなり泥臭くなるからだ。
羽毛をむしるときも、水や湯を使ってはならない。
ネギも洗ってはならない、これが鉄則である。

カモは、体温があるうちに羽毛をむしればきれいに取れるし、毛脈にそって指を滑らせれば綿毛も見事にこそぎ取ることができるからである。
そして、肉と脂肪を取り分け、腸以外はガラと内臓も捨ててはならない。



まず、熱々の鉄板にカモの脂肪を周囲に置き、その内側にネギを1cmくらいに輪切りにしてついたてとする。
カモの脂肪が溶けて長ネギの下をとろ~りとくぐりぬけて鍋の中心部に流れてきたころ、サイコロに切ったカモ肉を並べてほんの少し焼き色がついたところを、レアで、塩か醤油でいただく。
もちろん、ネギも同時にいただいていくのだが、「鷹匠鍋」といいつつ早いはなしが鉄板焼き、なのである。
しかし、これが最高に美味しいカモの食べ方なのである。
とにかく、カモ肉もさることながら、ネギがカモ脂に実によくマッチして、これほど美味しいものはないからである。
「カモネギ」とはよく言ったもので、ネギとカモはほんとうに相性がいいからである。
まさに、絶品絶妙な最高の贅沢料理を昔の鷹匠はやっていたのだった。



このあと、残ったカモの脂を溶かして、ガラを炒める。
そこに湯と醤油、砂糖を入れてすき焼き風に味をつけたところに、うどんを入れる。
これがまた、最高に美味しい「カモすき」、となるのだ。

こんな料理のあることを、ボクは若いころ鷹狩りの歴史を調べていて知っていたから、いつかは体験したいものと思っていた。
まあ、タカで獲物を捕まえなくてもいいから、ハンターが撃ち落した野生のカモで実践してみたいと思っていた。
そこで、知り合いのハンターにカモが捕れたら譲ってほしいと頼んでおいたのである。
そして昨日、ほどよく、半矢(まだ生きている状態)のカルガモが入ったので、日本の伝統文化にのっとって料理をしてみたのである。



カモの血抜きから、毛抜き、内臓処理まで全部自分でやってみたが、なかなかに古来からの伝統料理ができたと思っている。
まあ、鉄板でなくても、ホットプレートで充分であった。
カモがこんなにも美味しいものとは初めて知ったし、料理方法さえきちんと守れば、これほど最高な野趣はないのではないかと思う。
こう書けば、野鳥を食べるとはけしからんと「愛鳥家」に批判されるかもしれないが、自然保護とか環境問題はいかにして環境保全をし、増やし育てていきながら自然を利用していくかというところに、ほんとうの自然環境理解が生まれるのではないかとボクは信じている。
そうすることによって、カモたちの生態にも精通していくから、保護もできるし利用もできる、というものだ。

この料理の美味しさは、カモ自身の持つ「脂肪」がすべてを左右するから、12月一杯までが勝負である。
正月を過ぎてしまえば、カモからは見事に脂肪が消えてなくなってしまう。
それは、春夏秋冬の季節が確実に動いているから、カモも脂肪を蓄え消化しながら季節を追って生きていることにも気づかされる。
まさに、野趣を食らいて季節を知り、自然界を理解しながら人間を知る、というものだ。




2009-11-25 Wed  [ 旅・取材・人 ]

沖縄にリラックス旅行

by gaku


ある財団にかかわって、10年。
理事会をいつも東京のホテル「オークラ」でやっていたが、今回は沖縄ですることになった。
会議は、20日の夜だけで、あとは23日まで自由行動。

会議場は、名護市にある「カヌチャベイホテル&ヴィラズ」。
大きくて、立派なリゾートホテルだった。
飛行機も久しぶりにJALのジャンボだったし、それもはじめてビジネスシートに乗せてもらった。
往復の飛行機代、ホテル滞在費は、すべて財団負担。
2日目からの自由行動は、他のメンバーはゴルフ三昧の人もいれば、ダイビングに出かけた人もいる。
しかし、ボクは、レンタカーを駆ってかつて知ったる穴場へひとり出かけてきた。
いやぁー、すべてに優雅な沖縄旅行に感謝。



行きの飛行機からは富士山と、南アルプスや中央アルプスがよく見えた。
もう少し右に旋回してくれていったら、中央アルプスがもっとよく観察されたことだろうけれど、定期便はそこまではしてくれない。矢印が中央アルプス。



沖縄に着いてすぐに感じたことは、第二波の松枯れがかなり進行していることだった。



こんなホテルで、快適至極。



沖縄もイノシシがけっこう増えて、農作物被害を出しているようだった。



ヤンバルクイナの交通事故が増えているが、この若者が運転する車は遠くからボロボロボロ…と排気音を轟かせてやってきて、猛スピードで走りすぎていった。



沖縄へ行けば必ず寄る「金武町」の田んぼ。稲刈りが終わったばかりの田にアマサギが群れ、カナダヅルの若鳥もいた。



パッションフルーツの花をはじめて見て、その怪しさに感動。



名護市の「さらばんじ」という郷土料理のお店は2年前に偶然見つけて、その美味しさに惚れ込んでしまった。
何を食べても美味しいお店なので、今回も、2晩続けて通い詰めてしまった。
「さらばんじ」とは「いまが盛り」という意味らしいが、料理をつくってくれたおばちゃんが看板まで飲んでいたオイラをホテルまで元気よく送ってくれたのにも感謝。
(ほんとうは、店で働いていた若い沖縄美女さらばんじ○乃○ちゃんの運転手を期待していたのだった、が。。。。)



沖縄ならではのトロピカルフルーツを道の駅やちょっとした屋台で見つけるたびに、心がわくわくしてしまう。


トップ写真:
商品棚で寝転んでいたこのネコは、配達があるまでは体を休めているみたい。ヤマトの「クロネコ」は、沖縄でぐーたれていた、のだった。



2009-11-20 Fri  [ 哺乳類・野生動物 ]

Nikon D3s 試用記

by gaku


高感度カメラとして登場してきた、「Nikon D3s」。
過酷な自然条件下で生活する野生動物の撮影では、このような機材はどうしても必要だと思う。
これまでD3を使ってきたが、D3sとなってさらに感度アップがされた。
そこで、さっそく使ってみた。



獣害をテーマとしているボクとしては、人知れず夜間行動を繰りかえすニホンジカなどのナマの生態をどうしても写したいと思っていた。
D3sは、D3を使っていれば操作性はまったく同じなので違和感なく使える。
常用感度がISO12800の高いところまで設定されているので、まずはこれを基本に試用してみた。
なんと、夜間にサーチライトを使って150m離れた野生動物を、500mmの望遠レンズでf8 1/50秒が切れてしまうのには驚く。
このような使い方をしたかったのだが、これまでのフィルムカメラでは絶対にできなかったシャッター速度である。



訓練さえ積んでいれば、500mmで1/50秒なんていう夜間シャッタースピードは夢のような数字であり、ほんとうに楽勝だからである。
しかも、連写性能もあがっているから、コショコショコショ…っと小気味よく連続シャッターが切れ、このほうがブレないのも事実。
このカメラは、まさにボクのために登場してきたといえる。
今後はこれで、撮影領域が相当に広まると考えられる。
これまで撮れなかったものが撮れてしまうということはすばらしいことであり、デジタルカメラは完全にフィルムを越えたと思う。
プロとして、このようなカメラが使えるといういい時代に生かさせてもらっていることに感謝をしたい。




写真上から:
1)Nikon D3sに、14-24mmをつけた夢の組み合わせ。
2)秋の種付けを終えたオスが悠然と出現。
3)このオスはあまり種付けができなかったカンジで単独中だったが、眼の光が不気味なのがいい。
4)侵入防止ネットも関係なく傍若無人に行動中の母子を見るだけでも、いかにシカがしたたかな動物かがよくわかる。
5)カモシカも夜間には積極的に行動しているから、これからはこんな生態もどんどん撮れていくことだろう。



2009-11-17 Tue  [ 旅・取材・人 ]

大切な右手人差し指をケガする…!

by gaku


今朝、指をケガしてしまった。
朝起きると激しい雨が降っていたので、傘をさして外へでようとしたら、傘が壊れていて、指にプラスチックスポークを刺してしまったのだ。

右手人差し指の第二関節と第三関節の間。
それも指を貫通するように刺さり、皮膚のところで止まったのだった。
しかも、指の幅で太さ3ミリほどのプラスチック棒が、折れて突き刺さったまま。



これはちょっと真剣にならざるを得ず、どこの病院へ行くべきかを思案したあげく、安曇野市に飲み友達の形成外科の院長のいることを思い出して電話をする。
突然のことだったので、午前中の最後の診察で飛び込むことになった。
もっとも、近所の病院でも待ち時間を考えれば、安曇野市まで高速道路を1時間余飛ばしても同じようなものだからである。
まあ、すぐに診てもらうことができ、麻酔を打って切開してもらった。

先だっての、ネズミサシを目に刺した件といい、今回の指の負傷は、ちょっと元気がありすぎる証拠なのだろうか。
最近は、ほんとケガが多いので、ちょっと自重をしなければなるまい。
それも、今回はボクのもっとも稼ぎ頭となっている右手人差し指なので、大切にしなければならないハズの場所である。



病院では、院長が面白がって指に刺さったスポークやらキズを写真に撮っていたが、その技術はイマイチだった。
手術ベットの上で、そんなカメラワークを見ながら「そりゃーカメラもよくないわ、さ」といって、ボクの持っていたリコーGX200を見せたら院長はいたく感動していた。
「このカメラだと、こんなにも接写がきくし、片手でも撮れるから手術記録にもなるスグレモノだよ」といって、ボクも一緒になって左手で自分の傷口を撮影したものだった。
その撮影結果をモニターで見て、「これは学会でも使える…」ということになり、院長は本気でカメラを買うつもりになっていたのには笑ってしまった。
ケガして病院へいったのに、オイラはカメラのセールスマンまでしてきてしまったのだった。

帰宅してから傷口写真などのサンプルを院長のところへメールで送ったりしたが、オイラもこれからしばらくPCなどの操作には不便をきたすが仕方がない。
名医の処置なので、傷口もたぶん大丈夫だろう、と思う。
痛みどめと化膿どめを飲み、今夜はもう寝ることにする。



写真上から、
1)ぶっすりと刺さったスポークの折れ口。
2)左から突き刺さり、矢印のところで止まっていた。
3)こんなのが、でてきた。
4)これじゃあ、キーボードも打てない。


2009-11-11 Wed  [ 旅・取材・人 ]

自然からのメッセージ=生き物たちから学ぶ

by gaku


12月9日(水) 午後18:00から、東京府中市の「府中グリーンプラザ けやきホール」にて、「自然からのメッセージ=生き物たちから学ぶ」と題して講演があります。

主催、東芝ソリューショングループ 環境フォーラム。
後援、府中市。

ブログなどでは公開されないような写真も含め、およそ130枚ほどの写真を投影しながら、いま自然界で起きていること、現代社会に生きる人間の心理と自然界への忘れ物など、ボクの実体験をもとに「自然に保護されている人間」の話しを進めて行く予定です。
会場定員は400名だそうですが、事前申し込み予約で入場が可能なようですので、希望者はぜひお集まりください。

申込み方法(入場無料)
Eメール (forum@toshiba-sol.co.jp)
FAX 042-340-6062 「12/9 環境フォーラム申込」と明記して、
(1)お名前 (2)ご住所 (3)電話番号を記入の上、11月30日までに、お申込みください。
受付時間 9:00 ~ 17:00 (ただし、土、日、祝日は除く)



この案内ポスターのデザインがスゴイのです。
ボクの写真を2000点ほどモザイク状にデザインしながらフクロウの顔に仕上げているのが、うれしくなるほどに感動しました。
さすがに東芝グループさんだけあって、いいデザインにするもんですねぇー。
デザイナーの方にも、感謝です。
なお、このポスターは府中市内などに貼られているようです。



追記
デザインベースとなったフクロウの写真は、1992年に毎日新聞社から発行となった「野生にいきる」の表紙写真です。
この本にも、自然を知るたくさんのヒントが隠されているのだが、デザイナーさんはボクの拙著に広く目配りされていることにも感心しました。



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