2006-06-30 Fri  [ 哺乳類・野生動物 ]

タヌキが犬にかわって故郷の村を闊歩

by gaku


長野県上伊那郡中川村。
ここは、ボクの生まれ育った村だ。

その村に久しぶりで出かけてみたら、タヌキに出会った。それも、全身が疥癬ダニにやられており、ほとんどが丸裸。
昼間の正午ころだというのに、タヌキは人家の庭先を通って道路を横切り、道路サイドに鉄格子の蓋をかけてある側溝にもぐりこんでいった。
U字溝といわれるコンクリートの排水溝が、タヌキの通路になっていたのだった。
どうやら、タヌキたちは車の往来の激しいところは、この通路をつたいながら移動しては、人家周辺で餌さがしをしていたのだろう。

それにしても、全身が丸裸の疥癬症はむごい姿だ。
夏なので、丸裸でも寒くはないだろうが、このようなタヌキが近年はほんとうに多くなった。
そのくらい、野生動物も病んでいるということなのである。

この道路は、ボクが50年前には何度となく歩いたり遊んだりしたところ。
今日でこそ舗装道路になっているが、当時は砂利道だった。
その道を放し飼いされていた犬たちが、それこそ自由に歩きまわっていた。
それがいまでは、クサリで犬がつながれているから、道で遊ぶ姿をみることはない。
その道路を病んでいるとはいえ野生のタヌキが昼間から闊歩しているのには、半世紀の時の移ろいを感じる。

写真:タヌキのこうした姿には、半世紀前の素浪犬と風景がダブってしまう。
D2X シグマ17-80mmマクロ

2006-06-28 Wed  [ 哺乳類・野生動物 ]

間違いだらけの自然観 11 『ツキノワグマの人身事故死』

by gaku


長野県でつい最近、ツキノワグマに襲われて死者がでた。
志賀高原でネマガリダケのタケノコを採っていた52歳になる男性が、親子グマに遭遇して、襲われたのだ。
男性は、現場付近にたびたびタケノコ採りに出かけていたらしいが、クマとの遭遇を避けるために携帯ラジオをかけながら山菜採りをしていたらしい。
しかし、それでも、ツキノワグマに襲われて死亡したのだから、お気の毒である。死亡原因は出血多量だから、ツキノワグマの牙ないしは太くて鋭い爪で動脈にダメージを受けたのだろう。

男性が翌日になっても帰宅しなかったので、捜索隊がでて被害者を発見したのだった。
そのときに、襲ったツキノワグマがまだ現場にいたというのだから、これも不思議な行動でもある。
最近のツキノワグマの行動をみていると、トラックの轟音のする高速道路脇へも平気で出てきているから、笛や鈴やラジオでは驚かないクマが出現しているとボクは言いつづけてきた。
これは、新人類ならぬ「新ツキノワグマ」だからである。
こうしたクマが次々に世代交代をしながら人間社会の動きを学習していくから、人の近くでも平気に出現して、人を恐れなくなってきているのである。

ボクは、そんなツキノワグマの動きを探るために、里の山に無人撮影ロボットカメラを仕掛けて1年になる。
そのカメラに写されていくツキノワグマを分析してみると、想像以上にたくさんの個体が出没していることがわかった。
それも、大小にかかわらず、車道のほんの20mほどのところを平気で歩いているからである。

そのくらい、ツキノワグマは身近であり、近所の山野には普通に出現しているものだと思っていいのである。
だから、山菜採りなどの入山者はツキノワグマの庭へ出かけているのだという自覚が必要になってくる。そして、ツキノワグマは本来は人間を避けて行動しているものだが、彼らの逃げ場をふさげば襲ってくることを承知したうえで、私たちも行動しなければならないからだ。

こうした意識でボクはいつも山野へでかけているが、なかなかツキノワグマに出会えない。だから、つい油断してしまうが、近距離でツキノワグマに出会ったときには本気で戦うつもりでいる。自然界と付きあうには、そのくらいの覚悟がないとできないからである。

写真:赤い矢印の枯れ枝先までは、地上75cm。
    ボクの体重65kgだから、このツキノワグマは100kgを優に超えている。
   耳、頭、眼、鼻、腕の太さ、手のひらの大きさ、どのパーツをみても人間よりはるかに鋭敏な能力と力を感じざるをえない。
    しかし、このクマの顔つきはおだやかだ。

シグマSD9 シグマ28-105mm

2006-06-23 Fri  [ 鳥類 ]

マーケットの有精卵からヒヨコをそだてる…

by gaku


わが家のニワトリが、抱卵モードにはいった。
もう3才なので、今期が最後の抱卵チャンスだと思う。
そこで、スーバーの卵売り場から、有精卵を買ってきて抱かせることにした。

昨年もヒヨコをかえしたが、近所の飼いネコに食べられてしまった。
そこで、今年はネコ対策もしながら、なんとしてもニワトリの世代交代を実現させたいと思っている。
ヒヨコを買ってきて仲間に入れればいいではないかと普通は考えがちだが、
ニワトリは認知委譲をきちんとさせないと、あとからきた「ヒヨコ」は群れに入れず、すべてがいじめ殺されてしまうからである。
このため、群れ全体がヒヨコまですんなりと仲良くなれるには、親鳥に有精卵を抱かせてヒヨコにかえさないとダメなのである。

ナマ卵は本来は無精卵、である。
しかし、スーパーによっては、「有精卵」も売っているところがある。
有精卵にはそれなりに利点もあるから、割高でもニーズは存在するからだ。
それを逆手にとって、無精卵なのに「有精卵」と称して売っているところも、ある。
このため「有精卵」のラベルだけを信じて買ってしまっても、ヒヨコにならないことだってある。
そのようなことがないように、ボクはすでに調べはすませてある。
どこのスーパーの「有精卵」がまちがいないかは、知人が孵卵機で実験をしてくれたからだ。
そのデータをもらっているから、信頼をおけるスーパーから有精卵を12個買ってきた。

これらの卵に、日付などをマジックで書き込んで今日から抱かせることにする。
順調にいけば7月16日前後に、ヒヨコが生まれてくるだろう。
何羽かえるか、どんな顔をしたヒヨコがでてくるか、いまから楽しみである。

写真:12個で622円の有精卵。ふ化率によっては、ヒヨコの単価もかわってくる。
GRD

2006-06-22 Thu  [ 旅・取材・人 ]

あなたは人生を楽しんでいる…ね

by gaku


昨日は、松本市にある信州大学医学部解剖学教室で講演があった。
医者になる学生たちが献体されたご遺体から、さまざまな医学的知識を学ぶ場所からの講演依頼だった。
テーマはずばり、「死」について。
ボクの写真展と写真集を見た、教授のMさんが指名してこられたのだった。
このような場所なので、ボクにもそれなりに興味があったし、いろんなお話も聞けて逆に勉強にもなるので引き受けた次第。

学生やOB、ご献体者の家族、さらには献体を届け出ておられるご本人など。
当初は120名ほどの講演会だと聞いていたので、会場にはその倍近くの聴講者がいたのには驚いた。
スライドを交えて、野生動物たちの死や死後の世界を写真家として見てきたありのままをお伝えしてきた。
講演は、昼食を終えた1時15分からのスタートだったが、皆さん誰も居眠りをされることがなかったのには、それだけこれまでに聞いたことがなかった世界の話だったのだろうか。
ボクにとっては当たりまえの自然観だが、野生動物の死体を観察されたことのない人には、たしかにビックリする話の鮮度だったのかもしれない。

講演のはじまるまえに教授のMさんと二人で、ホルマリンの臭いのする教室で弁当を食べたが、
『あなたは、人生を楽しんでいます、ね。
 楽しくてしょうがない、でしょう… 。』
そう言われてしまったけれど、そのように見えてしまうのだろうか?
自然界という教科書のない世界をこつこつとやっていると、たしかにボクには楽しいことばかりである。

もっとも、大学の医学部へ講演にでかけるというのに、ボクの車の屋根の上にはエンジン草刈り機が乗っている。
講演が終わった後に、大学の近くに「けもの道」を見つけてあったから、そこの草を刈る予定だった。
無事講演も終わり、夕方まで汗をどっさりかきながら草刈りも終えると、ここちよい疲れがでてきた。
駐車場でビールを飲み、コンビニ弁当を食べたら、その場で爆睡。
気づいたら、翌朝だった。
こういうことが、ボクの人生を楽しくさせる秘訣なのかもしれない。

写真:草刈りは200mほどだったが、今夜あたりからここをよろこんで通ること、だろう。
GX


2006-06-18 Sun  [ 環境・ゴミ・現代社会 ]

インターネット社会の落とし穴 4

by gaku


そういえば、
昨年の今頃は「森の365日」のライブカメラ掲示板が、茨城県水戸市の不動産屋から荒されたことがあった。
シジュウカラの巣のなかにライブカメラを入れて中継したら、それが気にくわなかったそうだ。
子供たちを集めて「ホタルなどを観察する」自然観察指導員をしている男だったが、人からの借りものの知識だけで自然を語ることしかできなかったので論理がかみ合わず、とにかくインターネットの匿名性をいいことに、驚くような悪口雑言で吠えまくったものだった。

もちろん、
このときもスタッフたちが一斉にサイバースクランブルに出かけており、まもなく本名と住所までつきとめていた。
その証拠を突きつけられて、本人は轟沈。
最終的にはメールで謝罪をしてきたが、見つからなければどんなことをしてもいいと思う傲慢さが、許せなかった。

それに対して、今回ははじめっから身元がわかっていた。
ただ、異常すぎてやっかいなだけだったが、その意味では相手が見えていたので気楽なところもあった。
しかし、このような場合にでも、警察には確かな情報を集めて報告しなければならないから、ボクも真剣だった。

こうしたサイバーテロは、考えようによっては、悪質な人間が悪意をもって行えば、個人や個人経営者などを再起不能に陥れることができる。
とくに、食品関係の仕事などは、風聞なども付いてまわるから、解決できたとしても、一度やられたら破壊的ダメージは計り知れないものとなろう。
だから、インターネットを扱う立場にあれば、そうしたマイナス面も考慮しつつ、URLやメールアドレスの管理は自己責任が伴う。
そして、不幸にしてテロに遭ってしまったら、自分自身もそれなりに対応できるだけの知識などを身につけておかなければ、まったくのやられ損で終わってしまう。

インターネットは便利だけれど、運用をひとつ間違えればそれはそれは恐ろしくて脅威的だ。
だからこそ、社会にはルールがあって、倫理としてやってはいけないことがあるのである。
そして、そうしたことをしでかした者は、それなりに社会的制裁を受けてもらうのが当然だ。

今回のことは、まだ全面解決には至ってないが、ボクは前向きに自分自身も勉強の場と考えながら対処している。
災難から逃げるのではなくて、自分が試されているのだというチャンスに代えながら、まだ戦いつづけている。

写真:ギンリョウソウは、いまが花のまっさかり。

(管理人注:コメントをいただいた皆さん、大変申し訳ありません。
このシリーズはいろんな方が心を痛めていただいていまして
かなりご心配をおかけしてしまい、討論は討論として、この騒動が全部終息したあとに別の機会に会話していただきたい
という希望がありまして、シリーズ1から4までのコメントをすべて削除させていただきました。
誰のコメントがまずかったとかそういう理由ではありません。事情が事情なだけに
いままだ渦中にありますので、いったんコメントをストップさせていただきます。from管理人モモンガ)


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