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2006-04-30 Sun [ 哺乳類・野生動物 ]
間違いだらけの自然観 1 「ツキノワグマの目撃」
by gaku

2日前の地元紙に、こんな記事が載っていた。
「中央アルプス山麓の道路際でツキノワグマを目撃。
深夜の0時40分ころ、車で通りかかった人がクマの姿を見て、警察署に通報。
体長は2mくらいだった。
危害があってはいけないので、村役場では捕獲檻を仕掛けるといっている。」
この場所は、昔からツキノワグマの生息地となっているところであり、クマがいて当たり前。
それなのに、深夜に車で通りかかってツキノワグマに出会っただけで、警察署へ通報とはあまりにも自然を知らなさすぎる。
深夜にクマが行動していることは普通なのであって、深夜にそこを通りかかった車はいったい何をしていたのだろうか。
夜間運転すれば、タヌキやキツネやイノシシ、シカなどは、しょっちゅう出てきているのに、クマが道路際を歩いていてはいけないのだろうか。
自然が豊かで、自然度が濃いことを売り物にしている中央アルプス山麓なのだから、ツキノワグマだって自然界の一員としてセットされていることに気づかなくてどうする。
こういうことを記事にするマスコミも、もう少し自然とはどんなものなのかを分かっていれば、書き方にも工夫があっただろう。
中央アルプス山麓にて。
SIGMA SD-10
2006-04-28 Fri [ 料理・食 ]
食の文化 「ノビルとアサツキの味」
by gaku

東京からの帰途、あまりにも天気がよかったので山梨県の甲府市で途中下車をしてしまった。
笛吹川のほとりで、ぼんやりしていたら、堤防でせっせと山菜取りをしているおじさんに出会った。
おじさんは、堤防の土手に生える「ノビル」を掘っていた。
ノビルとは、ネギの仲間で好きな人にはたまらない春の山菜だ。
しかし、ボクはノビルより、近縁の「アサツキ」が好きだ。
アサツキは、ノビルよりも淡白で、球根を生のまま味噌をつけて齧るのが美味しい。
でも、ノビルは、ちょっと味がきつすぎて、生で食べることは難しい。
だが、両者の醤油漬けは、酒の当てになるから、これはいけるが、ノビルは漬かるのに時間がかかるしちょっと青臭いところがある。
そんな理由で、両者を比べると、ボクはアサツキに軍配をあげる。
g 『おじさん、ノビル採って、何にするの…?』
お 『いや、醤油漬けで食べルン、さ。』
g 『だったら、アサツキのほうが、絶対に美味い、よ。』
お 『アサツキって、何だ、ねぇ。』
g 『アサツキっていうのは、万能ネギのような形で、もっと細くて、ノビルのように生えている、よ。』
お 『知らんなぁー、はじめて聞くなぁー。』
おじさんの車は、静岡ナンバーの軽自動車だった。
静岡から山梨県まで、ノビルを採りにきていたのだった。
まさに、ノビルを食べるために、執念のような気がした。
アサツキのことを、ボクに出会ってはじめて知ったらしいから、ひょっとしたらこのあと「アサツキ」を真剣に勉強しはじめるのかもしれない。
食文化とは、こうして、少しずつ発見があって体験も加わって、広がっていくのだろう。
おじさんとは、土手でそれだけの会話だったが、ボクはあとになって、アサツキのこと教える必要もなかったような気がした。
でも、山菜こそ、知らない世界を教えられるとうれしくなるものだから、これでよいのかなぁー、とも思った。
山梨県笛吹川にて。
D200 シグマ17-70mmマクロ
2006-04-26 Wed [ 旅・取材・人 ]
青春漂流 3
by gaku

皆で食事中に、立花隆さんが
『タラの芽がそろそろだから食べたいねぇー』と、いった。
それを聞いて、みなが「ウン ウン」と、うなずいた。
それを見ていて、ボクは
『いまどき、タラの芽を美味しいなんていっているのは時代遅れ…だ』と、心の中で思っていた。
そうしたら、
京都から来ていた染織家の冨田潤さんが、ボクと同じことを皆の前で口に出したのだった。
全員が、
「・・・・・・・・・・・・・ ?」
その雰囲気をみて、ボクが冨田さんにすかさず
『コシアブラだよ、ね』と、いった。
冨田さんは、ニコっと笑って、
『そうだ、そうだ…』と、コシアブラ仲間がいたことに安堵した表情になった。
『コシアブラって、どんなものなんだ』
『どんな、木なんだ』
『どんな、味なんだ…』
これだけは食べてみないと分からない。
食に関しては、全員が旺盛で好奇心に燃えているから、結果的に、ボクが何人かに送ることになった。
コシアブラは、個性の強い山菜だけに結果がどうなるか心配だ。
しかし、何人かは、その個性にハマることだろう。
食に対する文化は、こうして広がっていくのだろうなと、ボクはそのとき思った。
コシアブラはあるところにいけばどっさり生えている雑木だから、スギやヒノキの人工林ばかりにしてしまっている現代人の自然観を見直すきっかけにでもなればいいと考えた。
こうしたちょっとしたきっかけから、周囲の自然をみる目が変わればいいと思っている。
とくに、胃袋で感じる自然観は必要なことだからである。
ちょうど食べごろのコシアブラの芽。
伊那谷にて。
E-1
2006-04-23 Sun [ 旅・取材・人 ]
青春漂流 2
by gaku

はじめて、ノウサギの肉を食べた。
子供のころから身近なところにノウサギはいたが、その肉をこれまで実は食べたことがなかったのである。
これが、びっくりするくらいに美味しかった。
脂分がなくて、あっさりしていて、それでいて肉に弾力性があって、濃い味がした。
このノウサギは、鷹匠の松原英俊さんがクマタカで捕まえたものをフランス料理シェフの斎須政雄さんが「赤ワイン煮込み」にしてくれたものだった。
フランスでは、ノウサギの肉を普通に食し、ワインと一緒に楽しむのだという。
ワインは、田崎真也さんと立花隆さんが、それぞれにフランスに樽をもち、毎年作っているという「非売品」。
これが、もの凄い高級品だった。
まさか、ここで国産ノウサギ肉を使った本格的な「じびえ」料理に出会うとは思わなかった。
それぞれに一流人が集い、一流の料理人の手にかなった料理。
修行時代から数えると30数年のキャリアが自信と味にでていたのが、まさに本物だった。
東京・港区三田ハウス1F 「コートドール」にて。
コートドールは、斎須政雄さんのお店。
GRD
2006-04-21 Fri [ 旅・取材・人 ]
「青春漂流」
by gaku

昨夜は、東京で23年ぶりの「青春漂流」の懇親会があった。
青春漂流とは、
作家であり評論家でもあり東大教授でもある立花隆さんが、一つの目的に向かって進んでいる若者11人を選びインタビューをして一冊の本にしたものだ。
落ちこぼれた人生の失意のなかから、一つの目標をつかんで突き進む青春の迷いと惑いと「求めんとする意志」を私たちに探し求めたヒューマンドキュメントである。
11人中2人が欠席したが、立花さんを囲んで楽しいひとときがあった。
11人のなかでの超有名人はソムリエの田崎真也さんだが、彼も出席してくれて、若かりし頃の夢をみなで振り返ったものである。
ここで特筆すべきは、20数年を経た現在も、一人も欠けることなく第一線で仕事をしていることだった。
それだけに、皆が自信に満ち、いい顔になって時を重ねていたのがうれしかった。
この「青春漂流」は、70数冊の著書がある立花さんの出版物のなかでは、いまだに3位の売れ行きを誇っているという。
20数年を経た今日でも、それだけ売れているということは、多くの人々が目標をつかもとしているのかもしれない。
若者も同世代の人間も、このカオスな平成時代を生きているなかで、「青春漂流」こそみなに読んでもらいたい本だということが皆の一致した意見となった。
ボクも含めて何人かはもうすぐ還暦を迎えようとしているのに、やはり全員がまだまだ「夢」をもっている姿を再確認できたのが最大の収穫だった。
写真紹介(敬称略)
前列右から、精肉職人の森安常義、ナイフ職人の古川四郎、立花隆。
後列右から、ソムリエの田崎真也、宮崎学、塗師の稲本裕、フランス料理の斎須政雄、染織家の冨田潤、鷹匠の松原英俊、ミキサーの吉野金次。
東京白金台にて。
E-1








