2006-03-31 Fri  [ 鳥類 ]

ちゃっかりカラス

by gaku


三重県伊賀市を走っていたら、遠くにカラスの巣らしきものが見えた。
大きな木のてっぺん近くに、コロンと目立つ。
あんなに高くて風通しのいいところに巣をつくるのだから、今年は台風が来ないのかなぁー、と思った。

しかし、カラスにしては大きくて丸い。
トビでもない、カササギの巣に似ているが、三重県にいるのだろう、か?
ひょっとしたら、ヤドリギかも知れない。
そう思いながら、近づいて双眼鏡で確認してみたら、やっぱりヤドリギだった。

「なーんだぁー」っと、思いながら、
それにしても大きな木だから自分の木登り技術を確認するためにも、登れそうなのかそうでないのかを見たくて幹を根元まで双眼鏡でなめてみた。
っと、その時、双眼鏡の視野にカラスの巣が飛び込んできた。
幹の二股となったところに、巧妙に巣づくりをしているではないか。肉眼では、まず見落としてしまいそうな巣だった。
しかも、巣の中から、抱卵中のカラスがジィっとボクを見つめている。距離は300mも離れているのに、「ただならぬ人間が巣を見ている」と、相手も殺気を感じたらしい。

まあ、木登りをするつもりもなかったからそのままにしてきたが、それにしてもしっかりした枝ぶりのところに巣を架けたものだ。
そんな巣を見てしまうと、今年もやっぱり大きな台風が来るのかなぁーと、思ってしまった。

三重県伊賀市にて。
D2X 


2006-03-30 Thu  [ 旅・取材・人 ]

一乃湯

by gaku


気ままに運転をしていたら、いつのまにか三重県の伊賀市に来てしまった。
山陰海岸から熊野灘…、まで。

ここで、午後に猛烈な夕立に遭った。
いきなり戦力喪失し、風呂に入りたくなった。
考えてみれば、6日間も入浴してないことに気づいた。

携帯電話のタウンページで銭湯を探して、タウンマップとカーナビで「一乃湯」を目指したらピタリと玄関先まで行けた。
古い歴史のある銭湯で、玄関口を見ただけでも旅人をうれしくさせるような風情だった。
しかも、入浴料は300円ポッキリ。
番台のオバサンが、
『どうじゃ、安いだろ…!!』って、ニコッと笑ってくれたのがさらに気分爽快。

ここで、1週間分の垢を落とした。
垢こすりなんて、まどろっこしくて使えない。
普段から持ち歩いている「入浴セット」のなかには、ワラぞうりほどもある大きな「亀子タワシ」がある。
これで、ゴシゴシと全身をこするのが内臓まで刺激して気持ちがいい。
もちろん、肛門から蟻のとわたり、ふぐりの裏表まで「亀子タワシ」でゴシゴシのゴシ。
帰り際には、番台のオバサンから「上野市」が「伊賀市」に去年からなったというハナシを聞いてきた。
「伊賀」とは忍者の「伊賀の里」のことであり、一つ山を越えれば滋賀県の「甲賀の里」。

三重県伊賀市にて
E-1


2006-03-29 Wed  [ 料理・食 ]

春告魚…

by gaku


兵庫県明石市周辺では、いま「いかなご」の稚魚でにぎわっている。
これで、「くぎ煮」をつくるからだ。
そのためか、マーケットのいちばん目立つところに、醤油やミリン、料理酒、砂糖、生姜…などが売られていた。
どこの家庭でも、それぞれに自慢とする作り方があるらしく、味が違うという。

明石市内のマーケットでは、夕方にはほとんどが売り切れていたが、内陸部の「朝来町」では大量に売れ残っていた。
やはり、「いかなご」に対する食文化としての地域色があるのだろう。
ここで、ボクも1㎏パックを買って「くぎ煮」に挑戦してみた。
しかし、見事に失敗した。

「いかなご」の成長は早く、一日ごとに大きさが変わっていくという。
春を告げる魚だけに、料理も一瞬のチャンスで決まるのだろう。
信州人にとっては、なかなか手ごわい料理である。

明石市にて。
D1


2006-03-26 Sun  [ 鳥類 ]

産みの苦しみ

by gaku


兵庫県豊岡市の円山川河口でカラスの巣を見つけた。
どんな卵があるかと思って覗いてみたら、5個の卵があった。
これで打ち止めらしく、上段の真中の色の変わっているのが最後に生んだ「止め卵」だった。
右下の卵には、鮮血が付いていたから、親ガラスは結構苦しんで産卵したようだ。
たぶん、初産の若い母ガラスなのだろう。

カラスといえば、ボクはすでに、
鹿児島から北海道まで、百数十個の巣を覗いて、写真撮影をしてある。
それぞれの地域によって、卵の基礎的な色が違っているのに興味をもったからだ。
円山川のこの卵も、福井県などにはみられない色をしていた。どちらかといえば、島根県、鳥取県に準じている色だった。

普段見慣れているカラスなのに、どんな色や模様の卵を産むかなんて、日本中で答えてくれる人はいないだろう。
それも、地方色がちゃんと出ているということまで調べている研究者は皆無だ。
それは、木登りができて、カラスの遺伝子まで興味のある好奇心旺盛な人がいないからである。

環境問題とか自然観察とか異口同音にいうけれど、カラスの巣からだけでもすごく面白い環境問題が語れるのである。
写真家として、視覚言語に訴えた面白い話題が、実はカラスの巣のなかにはいっぱい詰まっているからである。

兵庫県豊岡市にて。
GRD




2006-03-24 Fri  [ 哺乳類・野生動物 ]

キツネの大邸宅

by gaku


兵庫県の日本海側に面した小さな漁港。
ここで、キツネの大邸宅を見つけた。
なんとキツネは、港のすぐ脇にある砂山に巣を構えていた。
巣穴だけでも14個もあり、表玄関から裏口までつくってあった。とにかくその規模はまさに大家族で、かなり歴史のあるものだった。

港にはたくさんの漁船が泊まり、たえず人も出入りしている。
そんな道路を隔てた近場に堂々と巣を構えているのだから、キツネもなかなかの度胸だ。
もっともこのキツネは、大勢の人が港に出入りしていても「誰一人として巣穴に関心を示す者がいない」と、人間を観察したあげくに棲んでいるからである。
砂山だって、工事に使うために積み上げて何年も放置状態にあるものだ。
そこにちゃっかり大邸宅を構えるのだから、キツネのほうが人間より一枚も、二枚も、上手なのである。

そうして安心しきっているキツネの巣をボクがいとも簡単に見破ってしまったのだから、それを知ればキツネもショックを受けることだろう。
だが、巣穴を覗きにきたボクの体臭を嗅いで、この港近辺に住んでいる人間のものではないと判断するから、少しは安堵するにちがいない。

それにしても、いいキツネの巣だった。
こういう巣穴こそ、丁寧に時間をかけて観察していけば、いろいろなことが分かるハズである。
もっとも、こういうところに巣くうキツネだから、キツネの心理状態まで迫った複眼発想のできる観察者でないと「観察」は無理だ。
キツネを「観察している者がいる」と、キツネに悟られた時点で、このキツネ家族は大邸宅を捨てて引っ越してしまうからである。

山陰海岸にて。
D2X シグマ28-70mm


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