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     宮崎 学 【野生は笑う】 (ほんパラ!痛快)vol.8
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┏━━●もくじ

┣◆お知らせ「ほんパラ!!痛快ゼミナール12月9日放映」
┣◆よりぬき「きまぐれ日記」
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◆TV放映 関口宏の『ほんパラ!!痛快ゼミナール』
 12月9日 18:53〜 テレビ朝日系放映
 宮崎 学著「野生動物が見つめるゴミ列島」が放映されます。
 番組中盤の10分くらいだそうです。ご覧下さい
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「野生動物が見つめるゴミ列島」(太郎次郎社)を出したのは、今から5年前。
その本の紹介を今頃になって、テレビ局がやってくれるということで、驚いた。
そこで、改めて読み直してみたが、5年前にボクが言っていたことが、
いまでもまったく色あせていないことに気づいた。
以前は多くの人に「そんなまさか・・」と信じられなかったような考え方が、
今日での標準的な認識になっているようなこともいくつかあるからだ。
ボクの出演コーナーは、たったの10分ほどだが、
このためにTVクルーは「よくぞ」というくらいに、時間をかけて取材をしてくれた。
東京都内でのドブネズミの密着取材から、信州、琵琶湖、沖縄、奄美大島。と、
とにかく大がかりなロケを実行してくれたのである。
そして、ボクは自分が20年も前から続けてきたロケ地、
沖縄へ、クルーとともに改めて訪れてみたのだが、
5年前にしていたことは無駄ではないことに気づかされたと同時に、
今これからもやらなければいけないということにも気づいた。
時間切れで撮影ができなかったが、那覇市内の国際通り脇を流れるドブ川に、
何千匹ものテラピアが暮らしている。
その事実を目撃しながら、今日の私たちの心の持ち方から
社会の方向性のようなものまで、ボクには改めて発見があった。
その意味では5年前の本の紹介でも、ボク自身にとってはまだまだ
連続性をもった視点での作品作りを続けているので、色あせていないのである。
だから、今回の『ほんパラ!!痛快ゼミナール』も、
発信することの意味というものを考えていただければありがたい。
第二、第三の「野生動物が見つめるゴミ列島」は、これからもどんどん続きます。
                              宮崎 学
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◆よりぬき「きまぐれ日記」
『ネコの花火』 (11月25日)
伊那谷郊外のとある人家付近の細い道路を、車で走っているときだった。
道端にうす汚れたネコがぼんやりと、座っていた。
車が通るにはぎりぎりのところだったから、ボクは最徐行して通過した。
その瞬間、ネコを見た。
ネコは、見るのも気の毒なくらいに脱毛していた。
それは、あきらかにカイセンダニに侵されて、全身の毛が抜けていた。
『汚いネコだなぁー』っと思って、その場を通り過ぎた。
が、しかし、このネコのことが気になった。
そういえば、この先1キロほどのところで、1年前にカイセンダニによって
全身脱毛のタヌキを目撃したからだ。
たぶん、そのタヌキから、ネコにもダニが遷ったのだろう・・・。
そう思った瞬間、ボクは引き返した。
この、ネコを写しておく必要があったからだ。
すでに、700メートルほど走ってしまっていたが、ネコははたして元の現場にいた。
車の窓からそっとデジカメを出して、2枚写したところで、ネコは歩きはじめた。
『ニャーオー・・』っと啼きながら、しかし人懐っこい態度で、
すぐ脇にある人家の庭へ入っていった。
これほどカイセンダニにやられたネコは、やはりきっちり写したいから、
ボクは車をおりて、ネコのあとを追った。
『ニャーオー  ネコちゃん、ネコちゃん。行かないで、逃げないで、
写させて・・・・』っていいながら、庭にはいっていった。
ネコも性格がよくて、逃げるふうでもなく、庭の犬ばしりに座って、
ボクに「ニャーーオーー」と、啼き返してきた。
そんな、汚いネコちゃんを写していたら、家の玄関が開いておばさんがでてきた。
お『はなびー はなびーぃーや、どこにいるのぅー ?』
ボ『おばさん、こんにちは。ネコの写真を撮らしてくださーい。』
お『はぁー 写真をーーー』
お『こんな汚いネコを写してどうするねーー』
ボ『いや、カイセンダニにやられているこのネコが貴重なもんですから。
 ちょっと写したいんですが・・・・』
お『な、なにぃー カイセン・・ なんじゃねーそいつわぁーー』
ボ『カイセンダニといって、タヌキなどに寄生しているダニがネコに遷ると、
 こうなってしまうんですよ』
お『へっええぇーー、こりゃあーダニかいねぇー。わしはすっかり病気だと
 思っていたけど・・・。どうやりゃー なおるんかいねぇー』
ボ『獣医さんのところへ連れていって、薬と注射を打ってもらえばすぐに
 よくなるそうですよ。このまま放っておけば、ネコのダニが家の中にまで落ちて、
 おばさんも痒くなってしまいますよ』
お『そんなこといったって、もう遅いもの。わしの体は痒くてのう。ほれ、こんなに。』
そういって、腕をまくって見せてくれたが、赤い湿疹だらけだった。
 
お『獣医さんは、いくらくらいお金がかかるんズラねぇー。
 うちは父ちゃんが身体障害者になってしまって寝たきりで仕事ができないから、
 お金ないからネコなんて医者に診てもらうワケにはいかんものーー。』
お『それよりおニイさん聞いてよー、このネコは息子の彼女が連れてきたんだにぃー。
 まだ、高校生のころだから今から5年前のことなぁー。
 息子と花火を見にいった夜に二人で子猫を拾ってきて、
 そのままウチに置いていったのなぁー。
 わしは動物が嫌いなの。でも、彼女が息子のヨメになってくれるっていうもんで、
 意地の悪いバアさんになりたくないから、このネコに「花火」と名付けて、
 いやいや我慢して飼ってきたんだにぃー。
 それなのに、このネコったら、こんなに汚くなってしまって。
 それに、ついこのあいだ彼女から息子のところにメールがきて、
 別れるっていってきたんだよぉー。
 息子もかわいそうだし、父ちゃんだって寝たきりだし、ネコは汚くなるし・・・・
 わしはいったいどうすればいいのねぇー。』
ボ『息子さんは、いくつ・・?』
お『23歳』
ボ『おばちゃん、息子はまだ23歳なんていえば、若いわかい。
 彼女なんてこれからいくらでもできるじゃあないですか。
 彼女の一人や二人、人生の月謝と思わなくてどうすんのーー。』
お『そうはいっても、ヨメになってくれるっていっておきながら別れるなんて、
 わしは許せんのね。ネコの「花火」まで、憎くなってきてねぇー。』
ボ『まあまあ、おばさん、そんなこといわないで人生の月謝、月謝だってばぁ。
 男を磨けば、彼女なんていくらでもできるって、息子さんにいっておきな。
 男だよ、オトコを磨くんさぁ。』
お『・・・・・・・  』
お『ところでおニイさん、どこから来たのねぇー』
なんでボクがここで、人生相談まで受けなくてはならないのだぁー ・・・・?
それにしても、人間も、動物も、一瞬のきっかけで生き方が大きく変わってしまうものだ。
このネコの「花火」は、
『こんな汚いネコ、山に捨ててきてしまおうか・・・・ねん。』
なんて、おばさんは帰りぎわになって、言っていた。
(カイセンダニに遭った「花火」は性格のいいネコだった。
それを五体満足なネコが冷たい視線でみつめていた。
「花火」は毛が抜けはじめてから、家の中に入れてもらえないそうな。)
※写真はHPにてご覧下さい
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◆管理人モモンガより
宮崎 学を、今まで全く知らなかった・・・・という人に、
どの本をまず読めば、gaku先生の仕事や人となり全体が見えてくる?
と問われれば、やはり「野生動物が見つめるゴミ列島」をオススメします。
「鷲と鷹」も「フクロウ」も「アニマル黙示録」も全てgaku先生の仕事の
ひとつであり欠かせないものだけど、
「野生動物が〜 」はgaku少年のおいたちからはじまって、
今の仕事までの全てと、独自の戦略や目線が見えてくる・・・そんな
宮崎流考え方の入門書と言えるかもしれません。
未読の方はぜひ買って読んでみてください。
ネコの花火の話は、なんとなく心がしみじみしてしまったので、
思わず載せてしまいました^^ではでは〜
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   宮崎 学 【野生は笑う】(不定期発行)
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