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「イノシシ家族 VS お百姓さん」 その3

イノシシと農家のオヤジとの知恵比べがおもしろく、
僕はしばらく観察を続けていたが
イノシシたちの動向をさぐるうちに、新たな興味が沸いてきた・・・

(くわしくは、その1…8月19日付、その2…8月23日付を参照してください)
里も「収穫の秋」ならば、山だって「実りの秋」
  秋も深まり、イノシシ捕獲に本気となった農家のオヤジ。捕獲檻の安全装置が外され、肉味のよくなったイノシシを捕まえる算段をはじめた。
  しかし、イノシシは農作物より山の幸に興味が移ってしまった。里も「収穫の秋」ならば、山だって「実りの秋」。イノシシは栗を拾い、ミミズを食べ、ぬた場で「泥浴び」をして、秋を楽しみはじめた。
  そんなイノシシたちの行動を知らないオヤジは、いつまでたってもイノシシが檻にかからないから、とうとう諦めてしまった。檻の安全装置を一月ほど外していたのに、再び扉に、木片のつっかい棒が架けられた。

赤外線ビデオカメラでイノシシたちを観察
  この間に、ボクはイノシシが周辺にどのくらい生息しているのか、調べを進めていた。赤外線ビデオカメラを仕掛けて、210分テープを3倍速で回しながら、イノシシの無人撮影を試みていたのである。その結果、3家族のイノシシを確認できた。
  まず一家族は3世帯総勢8頭の群れ。、ウリ坊(※注)を卒業した5頭の子供とその母親らしき「ヤンママ」が2頭、それを巨大な婆さんイノシシが引き連れている。
  もう一家族は、2頭のウリ坊を連れた母親。
  さらにもう一家族は、ウリ坊を卒業した2頭の子供を連れた母親。
  とりあえず、近所には合計14頭のイノシシが徘徊していた。だが、これらに子供を産ませている巨大な「親父イノシシ」がいるはずだが、こやつはとうとう無人カメラに写らなかった。
※注…ご存じかと思うが、イノシシの子供は小さいときは身体にシマウリのようなシマシマがあり、ウリ坊と呼ばれる。成長した子供のイノシシになるにつれ、このシマシマが消える。

イノシシ家族の歴史を推測する
  3世代の大家族はさすがに熟練おかあちゃんの目配りがきくのか、子供イノシシはのびのびとしていて落伍者も少なかった。
  2頭の「ウリ坊」を連れた母親は、気の毒なくらいオドオドと気弱に行動しているのがみえた。たぶん、ウリ坊の大きさからして、この兄弟の2頭が農家のオヤジの檻にかかってしまったのだろう。
  それと、もう一家族も子供が2頭と少なかったが、これは水難事故に遭った可能性がある。イノシシは普通5〜6頭の子供を産む。それが2頭になってしまうのは、ほとんどがコンクリートの水路に落ちてしまうからだ。いわゆる「三面張り」といわれる農業用水路である。イノシシにかぎらず、タヌキやノウサギ、カモシカ、アナグマなどが落ちて、よく生命をおとしている。
  ボクのアトリエの近くにある水路では、年間70頭もの野生動物たちが事故に遭っているのだから、機能重視だけの河川開発には一考を要する。(これまでに、人間もすでに2人=子供と老人が落ちて、死亡している。)
  赤外線ビデオカメラで、イノシシの動向がわかったからには、さらに次なる興味がボクにはでてきた。もう、「農家のオヤジ」以上に、近所に徘徊する野生動物たちの動向を知りたくなったからである。そこで、とりあえずはアトリエの脇を通る道路に「無人ロボットカメラ」をセットして、彼らの動向を探ることにした。

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9月14日、再び扉に、つっかい棒として木切れが立てかけられた。この時期、背後にある蕎麦の花は満開。 9月14日、同じくこの檻も扉につっかい棒がされた。夏のあいだカボチャの蔓がこの檻を覆っていたが、秋の気配に枯れてしまった。 10月10日、つっかい棒はずうっとされたままだ。背後の蕎麦は、すっかり実をつけている

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10月10日、夏の間にイノシシをおびき寄せようとして餌付けにつかったカボチャやトウモロコシから芽がでてきている。檻の入り口がこんなに「藪」になれば、たとえボクがイノシシでも入るのはいやだ。 イノシシ檻の裏では、「蕎麦」が大豊作。減反補助金が出ているから、農家は米づくりより手抜きができるが、豊作だ。これぞ、正真正銘の「信州そば」。
 
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山では、栗が大豊作。

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イノシシは、栗の実を口に含んで奥歯で「グニュ」と噛むから、あとには皮だけが吐き出される。これが、イノシシの栗食い「食痕」。 舗装道路の脇に積もった腐葉土には、ミミズがどっさり。夏から秋にかけては、2週間置きにイノシシが掘り起こしていく。

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イノシシは人家の脇にまできて、ミミズを掘っている。

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林道の脇にできた「ぬた場」。こんなところでイノシシは、人知れず「泥浴び」健康法を実践していた。 昨夜はここで、イノシシがぬたを打った。汚された泥水が、平静を保っていく姿に“野生”の時間を感じる。

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この舗装道路をイノシシの家族が歩いてくるはずだから、カメラを設置した。

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カメラ側からみれば、こんな風景。 3世代家族の「ヤンママ」のうちの一頭。剃りをいれて相当に突っ張っているように見えるが、ウリ坊にはやさしい母親。 ウリ模様が消えた子供イノシシ。子供たちはけっこう騒ぎながら、母さんと歩いていた。
  
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道路に面してコンクリートの水路が数キロにわたって延びている。この水路に落ちてしまえば、二度とあがってこれない。

20 ゴミ集め水門
コンクリートの水路には、ところどころこのようにゴミを集めるサナ(建設用語で防塵用格子という)がある。ここに、動物たちが、死んで引っかかる。ここだけで、年間70頭の野生動物たちがかかる。

使用カメラ ニコン D1
使用レンズ
シグマEX17〜35ミリF2,8〜4、シグマEX28〜70ミリF2,8、 シグマEX15ミリF2,8
14と15番は、オリンパスOM-1、ズイコー50ミリF1,8    f8 ストロボ RDP?


 


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