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●Gaku塾に連載の「gaku日記」の過去ログを掲載しています。


『イノシシ捕獲法の輸入』 (11月21日)
知り合いのリンゴ農家に、東南アジアのある国から若い農業研修生がやってきた。
その農家には、これまでにも何人もの研修生がやってきているから別に珍しいことではなかった。
研修生の名前は、H君22才。
よく働き、正確も明るくて、いつも前向き。純真で真面目さが顔にもちゃんと表れている好青年だった。
 
H君が農園にやってきてまず驚いたことは、イノシシが農作物を荒らし回っているのに何もしないことへの不思議。
母国では、このようなイノシシはみんな捕まえて食べてしまっているらしい。
だから、いたずらイノシシを日本ではどうして放置しているのかと、疑問に思ったらしい。
そこで、農園主に質問してみた。
 
H君『イノシシに農作物をこんなにも荒らされて、なぜ黙っているのか?』
H君『ウチでは、このようなイノシシはすぐに捕獲する。』
園主『イノシシには困っているのだが、捕獲方法が…ない。』
H君『じゃあ、僕が捕まえてあげます…』 
 
そういって、H君は自分でワナを作りはじめた。
『竹はどこに生えている…?』
『針金は、ないのか…?』
っといって、手近なもので簡単なワナを作ってしまった。
そして、たった一晩で大イノシシを捕まえてしまったのである。
 
その技術力には恐れいったが、これは西表島の猟師が見せてくれたワナと同じだった。
西表島から東南アジアまで、このワナ猟は広く使われているらしい。
魚釣りの竿と同じ原理で、大イノシシの力を押さえ込んで捕獲してしまうという方法だ。
 
ワナを作るという情報を得て、ボクはほんとうにこの若者にできるのだろうか、と思った。
成り行きによっては、ボクが西表島で教わってきたワナの仕掛けを伝授しなければならないのかも知れない、とも思っていた。
ところがどうして、そのワナは見事なものだった。
そして、確実に捕まえてしまったのだから、経済的に豊かになった日本とはいえこのような技術は逆に研修生に教わらなければならない時代になってきているのかもしれない。
 
野生動物を無許可で捕獲することは、狩猟法で禁じられている。
農園主が捕獲許可をとってあったのかは確認するのを忘れたが、ボクはそれ以上に日本人が自然と対話できないようになってきてしまっていることに興味があった。
昔は、どこの集落にも自然と対話できる人がいて、このようなことへはすぐに対処してきたものだ。
それが、今や平均的なモノの発想しかできず、自分の畑の獣害ひとつ解決できない集落ばかりとなってしまっている。
自然と対話できないようでは、農業そのものだって危ういのだが…。

写真・農園では「フジりんご」がたわわに実り収穫期を迎えている。イノシシはこのリンゴまで食べ荒らしていく。




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