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●Gaku塾に連載の「gaku日記」の過去ログを掲載しています。


『ツキノワグマ・2』 (09月03日)

いまから、10年ほど前のことである。
伊那谷の山村を車で走っていたら、山野にミツバチの箱を置いてある現場に出会った。
セイヨウミツバチの箱が30個ほど設置してあって、そのど真ん中に、なんとクマを捕獲するための檻が仕掛けられていた。
 
養蜂業者がクマに荒らされないように、「養蜂」を営みながら、ついでにクマまで捕獲してしまおうという魂胆だった。
これをみて、ボクはルール違反ではないのかと愕然とした。
クマの生活圏にミツバチ箱を設置すれば、すなわちそれはクマへの餌付けなのであって、クマが出てこないほうがオカシイのである。
このような環境で業者が営業的生産性を計るのなら、クマに荒らされないように努力しなければならないのではないか。
クマが入れないように、ミツバチの箱群をぐるりと檻で囲むなり、電気柵で防備するなりの工夫が、必要なのだ。
 
そう思っていたら、つい先日も近所の民宿の庭先にクマがでてきてニホンミツバチの巣箱を2つ盗んでいったという。
民宿の主は激怒して、クマをなんとかせいと市役所へねじ込んだ。
そして、とうとう捕獲檻が庭先に仕掛けられた。
 
このニホンミツバチは、山野に巣箱を仕掛けて、ハチを誘因したものだ。
その巣箱にニホンミツバチが入ると、そのまま自宅の庭まで巣箱を運んできて、飼育を続けていくのである。
ニホンミツバチだから、とうぜんクマも大好物であり、本来はクマたちが山野でありついてきたご馳走だ。
その巣を人間が庭先まで持ってきて飼育し、襲われたからといって、クマを敵視するのはちょっとマズイのではないか。
だったら、こういう巣箱こそクマの入れないような檻の中にいれて、しっかり管理をするべきなのだ。
 
自然に対するこうした基本的な考え違いが、今日の田舎ではまだまだ普通に存在している。
自然を売り物にして観光業を営むのなら、もう少し心の成長もしてもらいたいものだ。

写真上・ミツバチ箱群のなかに仕掛けられたクマ捕獲檻。
 写真下・2つのドラムカンをつなぎ合わせた捕獲檻。設置されて5日目になるが、クマはまだ捕まらない。




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