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●Gaku塾に連載の「gaku日記」の過去ログを掲載しています。


『シグマSD−9』 (08月18日)

「けもの道」の作品集に代表されるように、ボクは無人自動撮影をよくする。
要するに、山野にカメラを設置して、ボクがいなくても自動的にシャッターが切れて動物たちが写真撮影されてしまうというものだ。
このような撮影方法に対して批判的な人も少なくないが、ボクはそんなことは無視している。
この撮影方法は、自然のこと、動物の生態、カメラ技術、メカトロニクス ・・・等々、あらゆる技術が1つに集結されないとできないワザだからである。
野生動物を遠くから望遠レンズで撮影することはできても、動物のヒゲがレンズにあたって掃除をしてくれるくらいに至近距離でカメラをあやつれる技術は、そう簡単には会得できないと自負している。狩猟にたとえるならば、望遠レンズはライフル銃であって、無人自動撮影装置は「ワナ」猟なのである。
 
ワナ師は、獲物が確実に捕れるところに「ワナ」を仕掛けなければ目的は達成されない。そうするにはあらゆる生態に精通していなければならなず、ボクはワナ師そのものの楽しみかたをカメラでやっているといえる。
そのために、動物たちの習性を見極め、確実な方法でカメラを設置する。
こうして、カメラを設置してしまえば、あとは時間が答えを出してくれる。
いわゆる、カメラを設置するまでが写真家としての絵コンテを書き上げるデッサンの時間であって、手からカメラが放れた段階ですなわち結果なのである。
 
こうした撮影には、これまではフィルムを使ってきた。しかし、フィルムだと現像というもう一つの工程がかかるので、撮影されても結果が分かるまでに数日間の時間的ロスがかかってしまった。昨夜の出来事を翌朝には知りたいから、こんなときに瞬時に結果の分かる方法があると便利だろうなと、思ってきたものだ。
それが、デジタル技術で可能になったのだから嬉しくなる。
デジタルカメラを無人撮影カメラに使えば、現場でプレビューボタンを押すだけで結果が見えてしまう。
その結果を、次なる撮影にすぐ反映もできるから、これはある意味では画期的なことなのである。
 
そうした撮影にもっとも適したカメラが「シグマSD−9」だ。
今のところ、このような無人撮影に使えるカメラは「SD−9」しかない。
これは使ってみなければわからないことであるが、これまでにも「けもの道」の撮影に使えるフィルムカメラは2〜3機種しか、なかった。
同じメーカーのカメラならどんなところにも使えると思うのは大間違いであって、最上級の高価な一眼レフカメラでも、無人でシャッターチャンスを待ち続ける撮影には不向きなものばかりだったからである。
 
デジタルカメラ開発も、今日では本格的な一眼レフ製品の時代に突入してきた。
このために各社が製品づくりにしのぎを削っているが、フィルムカメラが辿ってきた道をもう一度同じように辿るであろう動きをみせている。
このため、自分がどういうところに映像表現をしたいのかを今から整理して、カメラ選びをしてみることも必要だろう。
その基本は、カメラを手から放したときにキチンと作動するか、である。
デジタルカメラは電気食いだしタイムラグの問題もある。
その点、SD−9は車のバッテリーを使うことで10日間も連続して電源の確保ができた。
また、タイムラグも皆無に近い。
このカメラには、RAWデータのみというハンディはあるが、瞬時にして現場で結果が分かるというのは最大のメリットである。
そしてレンズメーカーだけに、豊富な交換レンズ群のあることも魅力のひとつだ。
 
環境アセスや自然環境の無人撮影を試みる計画のある人は、デジタル一眼レフ混戦時代を見極めながら、このような隠れた機種のあることに気づくのもいいだろう。

写真上・このタヌキは23:04分に写されていた。デジタルカメラは、このようなデータ確保にも格段にすぐれている。
 写真下・シグマSD−9 無人撮影には抜群に威力を発揮する。




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