←タイトル一覧
  に戻る
●Gaku塾に連載の「gaku日記」の過去ログを掲載しています。


『ドジなカルガモ母さん』 (07月21日)

近所にカルガモの巣があった。
12個の卵を抱いて、いた。
でも、このカルガモは繁殖活動に、無駄な時間を費やしているだけだった。
 
カルガモが巣をつくったところは、周囲をコンクリートで囲まれた枡のなか。
ニジマスなどを養殖する「養魚場」があり、その廃泥のためにつくられた枡のなかだった。
いわば、こんなところで子育てをしても、ヒナは全部死んでしまう環境だ。
 
コンクリート壁は、1、2メートルもある。
水は流れていても、かなりの水量と水流で、そのまま三面張りコンクリート水路につながっている。
抱卵は成功しても、飛ぶことのできないカルガモのヒナは枡から出ることができず、みんな流されてしまってお終いだ。
 
このような環境を見抜けないのが、現代社会に生きる生物たちなのかもしれない。
コンクリートの枡さえなければ、カルガモが子育てをするにはとてもいい環境であろう。
しかし、コンクリート壁がネックになって子育てが無駄になることを、このカルガモ母さんは計算できなかったようだ。
 
カルガモといえば、近年の自然保護思想昂揚で確実に増えてきている野鳥だ。
ある意味では人間社会に近づきすぎたがために庇護されすぎて、危険を察知できないタイプの生命も増えてきている。
このカルガモも、確実にそうしたタイプなのだろう。
生まれてくるヒナたちには気の毒だが、ダメなDNAは時代がやはり淘汰していくのかも知れない。

写真上・コンクリートの枡の中央にあるヤナギの木の根本に巣がある。
 写真下・巣には12個の卵があった。手前の一つは飛び抜けて大きな卵だった。




Copyright (C) 2003 OWLET.net(Manabu Miyazaki)