←タイトル一覧
  に戻る
●Gaku塾に連載の「gaku日記」の過去ログを掲載しています。


『密殺されるオオタカ…?』 (07月18日)

オオタカは絶滅が危惧されている野鳥ということで、ときには自然保護運動のシンボル的存在になることがある。
このため、オオタカの巣があるという理由だけで道路工事や各種の開発がストップすることも少なからずこれまでにもあった。オオタカは、本来は里山に生息する猛禽類だから、これまでにも長い歴史のなかで人間との共存をはかってきて今日がある野鳥なのだ。そのために、人間の動き、社会の動き、環境の変化を彼らなりに観察して、柔軟に対応しながら生きてきたのである。
 
そのオオタカが、じゃんじゃん密殺されているらしい…、という情報が入ってきた。
これが事実と知れば、自然保護派は卒倒しかねない…ことだろう。
この情報はあくまでも風聞として届いてきたものだから、事実ではないのかもしれない。
あるいは、事実かもしれないが、それは各自の判断で考えてもらえばいいこと、である。
 
中部地方のある地方都市で、鳩レースをやっている「鳩舎」がある。
数百羽のレース鳩を飼育して、競技会参加をしているのだ。
このため、鳩の訓練を毎日行わなければならない。
舎外訓練として、レースに参加させる鳩に飛翔力や鳩舎の位置を覚えてもらうための飛翔運動だ。
鳩たちは、野外に放たれて集団をつくり、鳩舎の周囲を嬉々として飛び回る。
レース鳩は、サラブレッドと同じように血統の世界でもある。
毎年行われる全国レベルの鳩レースに常勝するような血統は、1羽数十万円の価値もある。
そのような鳩たちが、それこそ数十羽から数百羽の集団でいることになれば半端な金額ではない。
そんな鳩たちが飛翔する姿を毎日目撃することは、鳩にかぎりない愛情を注いでいる鳩飼いにとっては惚れぼれする陶酔の一瞬でもある。
 
その鳩を、オオタカも山中から「美味しそう」と見ている。
1羽何十万円もする鳩でも、オオタカにとってはただのご馳走にしか映らない。
本能が示すままにいたたまれず、群れに突っ込んでいって鳩をさらっていくのである。
ときには、オオタカそのものが鳩小屋に飛び込んでしまう例もある。
このような事態になれば、鳩そのものが怖じ気づいてしまって帰巣力も奪われるから、レースそのものができなくなってしまう。加えて、優秀な鳩がオオタカに殺されるという実害も生じていく。
 
愛鳩家の憤怒の視線はオオタカに注がれ、対抗措置にでた。
鳩を守るために、オオタカそのものの捕獲に知恵を使いはじめたからだ。
そして、オオタカが獲物に向かう習性を研究しつくして、捕獲罠を完成させたのだった。
お金もあまりかけずに確実にオオタカを捕獲できる技術をあみだし、密殺に乗り出したのである。
 
こうしてオオタカを捕獲しはじめたのだが、捕獲しても捕獲しても、次々にオオタカが出現してきたのだった。
まさに、オオタカの予備軍がいるらしく、捕獲しても次のオオタカがすぐに補充されてくるのだそうだ。
そして、毎年30〜40羽のオオタカを密殺しつづけているという。
多い年には、60羽にもなったというから、ビックリだ。
 
このことが事実とすれば、明らかに鳥獣保護法と狩猟法違反…であろう。
捕獲者は厳しく罰せられるであろうが難しいことはさておき、ボクには次々に補充されてくるオオタカの存在が気になった。
オオタカは今日では確かに増加傾向にあるが、こんなにも補充されるほどに生息数があるのだろうか。
猛禽類としての彼らの習性を理解すれば、数さえいれば餌のあるところには必ず「補充」されることは確かである。
オオタカは、実際にそれくらいの数がいるのかも知れない。

 
上にいる鳩は、長距離でも短距離にも力を発揮する優秀な血統らしい。




Copyright (C) 2003 OWLET.net(Manabu Miyazaki)