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●Gaku塾に連載の「gaku日記」の過去ログを掲載しています。


『マック14才』 (07月11日)

クマは、4日間まったく出現せず。
木から落ちたのが相当にショックだったのか、それとも別に餌場があるのか。
とにかく、ボクは期待して待っているのに、まだ出現しない。
ホテルの主人も、飼い犬の吠え声で周囲のようすがわかるようだった。
 
主人『gakuさん、まだクマもイノシシも、近所にきてねぇぜ。』
  『この犬が玄関の中で啼くときはクマだし、庭で啼けばイノシシだに。』
  『こいつは臆病でなぁー 
   クマのときは小せぇ声だし、イノシシだって一応は庭に出ていくけど、
   すぐに戻ってくるから分かるんねぇー。』
  『お客さんが来ても、玄関の邪魔なところで寝ている…だけだし。』
g 『この犬、名前なんちゅったっけ…?』
主人『マックだに、14才…』
g 『マックとはハイカラな名前だなぁー 俺のPCと同じじゃん。
   ほんでもって14才じゃあ、しっかりジイさんだな。』
主人『そうなんだよ、もう、ヨボヨボ…』
 
こんな会話をマックは迷惑そうに聞いていたが、犬と家族とのコミュニケーションがしっかりできていることをボクは知った。
旅館業なのにマックは、これまでずうっと放し飼いにされてきた。
だから、若い頃には近所の山のなかでクマやイノシシとの遭遇があったのだろう。
そのことをちゃんと覚えているから、近くにやってくると今でもそれを敏感に察知して吠えるのだ。
 
このような暮らしがつい40年ほど前までは、日本中のいたるところで普通に行われていた。
人と犬の関係ができあがっていて、放し飼いにされていた犬たちが集落を守っていたからだ。
だから、クマもイノシシもサルも、集落の中には入ってこれなかったのである。
そんな人間社会と自然界との境界線を守る貴重な関係を、ボクはここのホテルで再発見をした思いだ。
 
マックは柴犬っぽい雑種だった。
もちろん血統書なんてついてないし、これまでドックフードをもらったこともない。旅館業だから、いっつもお客さんの食べ残した残飯処理係りをつとめているのである。
こんな犬が、田舎ではほんとうに役立つのである。
ボクもしばらく、この犬の嗅覚を頼りにしなければならない。

 
マック14才、雄。カメラを向けたら困った…と、眼をそらした。




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