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●Gaku塾に連載の「gaku日記」の過去ログを掲載しています。


『3時間プレイ』 (06月13日)

伊那谷を運転中に、イトちゃんから電話が入った。
 
イ『いま、アオダイショウが交尾しているけど、写す・・かい?』
g『っえ、そりゃぁ珍しい。アオダイショウの交尾に出会うチャンスなんて数十年に一回だぜ。』
 
イトちゃんは、市内の公園の造園整備を頼まれて重機を運転していたのだった。
資材が間に合わなかったので、それまで公園を散歩していて、アオダイショウの交尾に出会ったのだという。
電話が来たのが午前9時。
急いで行ってみれば、草むらでアオダイショウが重なっている…ではないか。
 
オスは、体長がおよそ1、1メートル。
メスは、1、3メートルほどありそうだった。
2匹は、体をぴったりと重ね合わせて、身動きをせずに陶酔していた。
このままの状態では、どちらがオスかメスなのか、さっぱり分からない。
結合部分からオスを割り出し、そのまま体をたぐって頭まで確認して、やっとオスとメスが分かった。
オスの眼は澄んで透明感があったが、メスは若干白濁していた。たぶん、数日のうちに脱皮をするためだろう。
そうした特徴を見つけながら、ボクはオスとメスの違いを探った。
オスのほうが、体が小さいが頭は大きい。
結合部から尻尾の先までを見比べると、オスのほうがメスより2倍近く長い。
しかし、両者を較べてみてその違いが分かる程度で、1匹でいたのでは外見で雌雄の区別をつけるのは難しい。
 
そう思いながら結合部分を見ると、メスのそこは卵を呑み込んだみたいにぷっくりと膨らんでいた。
g『オスは膨らんでいないのに、メスが膨らんでいるということは、どういうこと…だい?』
イ『そうだなぁー やっぱり挿入するとオスも勃起するんでないかい…。』
g『オレ〜 まだヘビのペニスを見たことないけど、
  犬みたいにピンポン玉みたいなのがあって、
  それが、メスの内部で膨らんで抜けないようにがっちり開くん…かいな?』
イ『まあ、抜ければ分かるだろうから、それまで待つべぇー』
そんなイトちゃんの一言で、好奇心旺盛なボクらは交尾終了を待った。
 
しかし、その時間の長いこと。
1時間がすぎ、2時間が過ぎてしまった。
その間アオダイショウたちは、上半身はほとんど動かさない。
ときどき、結合部分にグッグッっと力を入れながら腰を使っているくらいで、あとはオスがメスの頭部から首あたりを愛撫するように下顎でスリスリするだけだった。
イ『おいおい、けっこう腰も使っているじゃん。こりゃー たまげたなぁー・・』
イ『それでいて、こんなに長くては完全に無防備だから、タカに見つかったら2匹とも殺られちまう…ぜ。』
イ『うっわーすげえ、本気汁が出てる・・ 。』
 
なるほど、結合部からは精液のように乳白色をした粘液が出ている。
そして、溢れたものが地面の草などに付着しながら、うねるたびに糸を引いて伸びて…いった。
その粘液を、小さなアリが嘗めてもいる。
イトちゃんは妙に感心して、
イ『人間と同じ…だなぁー 
  せんせえー よく見てみろよ、
  アリが歩いただけでけっこう体をビクつかせて振り払っているぜ。』
イ『ヘビなんて藪んなかを這っているから皮は固いと思ったけど、
  これでいて、けっこう肌は敏感なんだ…なぁー。』
たしかに、ハエが止まってもそこの部分だけに力を込めて振り、止まるのを防いでいた。
 
時間は、12時になってしまった。
実に、3時間も結合状態…だ。
途中で日が射してきたから暑くなったのか、日陰になっている草むらにメスがずるずるとゆっくりいざり、頭を入れた。
それを追うように、オスも頭を重ねて身動きをしない。
イ『こんな草むらじゃあ、よく見えないからちょっと移そう…ぜ。』
そういって、イトちゃんはアオダイショウたちのお腹の下へ両手をいれて、持ち上げようとした。
肌が敏感なアオダイショウだから、イトちゃんの掌を感じて、その瞬間に交尾をやめてしまった。
 
オスのペニスが見えたが、鎌首をもたげてボクを睨んだので、写真を撮るのを躊躇しているあいだにすぼんでしまった。
そして、オスの体内に格納されてしまった…のである。
ペニスがメスから抜けた瞬間をみるには、それは肌色で、打ち出の小槌みたいに柄の部分があり、小槌部分がビヤ樽のように一回り大きく膨らんでいた。
その先端には、イソギンチャクの触手のようなやわらかそうなピンク色の円錐状の突起もみえた。
 
なるほど、こんなカタチなら一度結合してしまえば、そう簡単には抜けることはないだろう。そして、イソギンチャクの触手のような先端から、ゆっくり精液がでているに違いない…と、思った。
さらに、その触手がメスの内部ではチラチラと踊り続けて、メスの体内を刺激し続けているのかもしれない。
 
3時間におよぶアオダイショウの交尾シーンの観察だったが、このような出会いはとにかくボクもはじめてであった。
自然状態でヘビの交尾に出会えるなんて、そう簡単にあるものではない。
いい出会いのチャンスをつくってくれたイトちゃんにも感謝すると同時に、多くの人々には快く思われていないヘビたちも、地球上ではやはりちゃんとやることをやって生きているのだなぁと思った。
その意味でもこの時期には、小鳥のヒナをどんどん食べてしまうアオダイショウも、こうして愛を語っているのかと思うと愛おしくなってしまった。

写真上・こうしてぴったりと体を重ね、私たちには聞こえないが何かの言葉を互いに発しているように見えた。
 写真下・メスの結合部分は大きく膨らみ、粘液もしたたっていた。メスの陰部にあるピンク色の小さな突起は両サイドに見られたことから、ペニスを誘導する意味をもっているのかもしれない。




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