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●Gaku塾に連載の「gaku日記」の過去ログを掲載しています。


『松枯れ』 (05月25日)

山陰地方の松枯れも、ほぼ全滅といったかたちで終焉を迎えようとしている。
 
思い返せば、25年前にはじめて松枯れの前兆を見た。
ハヤブサの生息地の断崖に生える松の巨木が、次々に立ち枯れをはじめていたからだ。
それらの松の木は、ハヤブサにとっては絶好な休み場所になっていた。
その木が枯れ、枝が落ち、幹だけになり、そして、根元から崩れ落ちて跡形もなくなっていった。
 
松の木たちのそうした姿は、海岸線の岩場など土壌が水分確保をするのに難しい地形からはじまっていった。
そして、やがて海岸線から奥まった山野へと松枯れが移行するのに10数年の歳月がかかった。
場所によっては全山が「紅葉」のように真っ茶色の松林になり、それも現在では全滅して、広葉樹たちにとって替わられている。
 
そうした松枯れが、今日では中部地方の長野県などで発生しはじめている。
内陸の奥地に、20数年遅れで、いよいよ松枯れ現象が起きだしてきているのだ。
それに対して、マツクイムシが原因ではないかと見て「空中散布」をしている地域もある。
 
山陰地方の隠岐の島でも、松は全滅していた。
それを目撃して、あの海上をマツクイムシたちが大挙して飛びながら移動してきたものなのかに、疑問をもってしまう。
何か、ほかにも原因があるのではないか…
 
中国の「酸性雨」が松を枯らしてしまうのではないか、という人もいる。
針のように細い松葉だから、その気孔を酸性雨が塞いでしまうと枯れてしまう…のではないか。
山陰地方で生き残っている松の木を見ると、確かに水分補給がされやすい土壌にあるものばかりだ。
松の木がたとえ酸性雨に遭っても、根がしっかりと水分を確保できれば、それなりに生き残っているからである。
 
長野県でも日本アルプスの山小屋で使う天水が大気汚染で飲料できず、中和剤を入れて使用中と聞く。
四分の一世紀の時間が過ぎてしまったが、長野県の松枯れ現象をそんな視点からでも観察してみたいものだ。

写真上・空中散布の目印となる旗。マツクイムシだけを見て、殺虫剤散布をしていくのも危険なような気がする。
 写真下・山陰地方では、このような光景もそろそろ見納めとなってきた。




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