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●Gaku塾に連載の「gaku日記」の過去ログを掲載しています。


『ペリット』 (03月24日)

三河湾の岸辺で、オオタカの「ペリット」を見つけた。
ペリットとは、獲物を食べたオオタカが消化できない羽毛や骨などをいったん喉奥の袋に貯め込んでから、吐き出したものだ。
大きさは、子供の握り拳くらい。
こうして吐き出されたペリットの内容物を調べることによって、オオタカが何を食べていたかがわかる。
 
このペリットからは、カモの羽毛がでてきた。
細かな羽毛だからカモの種類までは分からないが、カモ100パーセントのペリットだった。
と、いうことは、このオオタカは三河湾の岸辺に棲むカモを獲物として捕らえていることが分かる。
 
オオタカは猛禽類だから、どんな獲物でも捕まえて食べていると一般的には考えがちだ。
しかし、獲物を捕まえるにも個体的に、得て不得手というものがある。
要するに、カモを捕まえるのが得意なオオタカとそうではないものがいるからだ。カモは捕まえられても、陸地や山野にいるキジなどの獲物を捕まえることのできないオオタカがいるということである。とうぜんこの逆なオオタカもいるから、狩りもオールマイティーではないのだ。いわゆる、水に入るのを嫌いなオオタカもいれば、平気なものもいるということなのである。
 
こうして見てみると今日ではオオタカが激増しているから、カモを捕まえるタイプのオオタカには環境が有利に働いているといってもいい。自然保護思想昂揚という今日の人間社会の時代的背景を受けて、水辺などには「水鳥公園」のようなものまでできているしハクチョウに餌付けをするのは当たり前の風潮となっている。
こうなれば、とうぜんそこには便乗組のカモたちもでてくるから、人を恐れず安心しきったカモがたくさんいる。そんな横着カモをターゲットにしはじめるオオタカ族もでてくるワケで、このようなタイプは潤うのである。
さらに、ドバトなども捕食するタイプのオオタカも、時代的背景を受けて増加してきている。
 
野鳥を愛でてただ観察しているだけの「バードウオッチャー」には、私たちが生活している社会がどのように変化してきているのかといったコトまでは見届けられない人が多い。だから、オオタカの数の盛衰変化まで思考が及ばないのだ。同じ自然観察をするにしても、自分自身がどこに生きているのかといった「社会現象」まで知らなければ思考停止となってしまうだろう。
オオタカの「ペリット」一つにしても、「複眼発想」すればそこから見えてくるものがあるから面白い。

 
カモ羽毛100パーセントのオオタカのペリット。




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