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●Gaku塾に連載の「gaku日記」の過去ログを掲載しています。


『エキノコックス』 (03月10日)

掲示板に「エキノコックス」の話題がでていたが、やはり、そろそろ注意していたほうがいいのだろうか。
 
エキノコックス症は北海道では圧倒的に多いが、本州でも過去70例以上もあるらしい。その多くが、北海道旅行にでかけて何らかの感染をしてきたものらしいが、北海道へ行かなくても感染者がいるのも不思議だ。
これらの感染者は過去16例あるそうだが、青森県に半分の8例が集中している。長野県にも1例があったとは、驚きだ。
青森県は北海道に近いから、なんらかの形でエキノコックスが来たのだろう。しかも、青函トンネルが開通してからは、キタキツネがトンネルを歩いてやってきたのではないかともいわれている。現実に青森県では、キタキツネらしき動物も写真に撮られているから、トンネル説をあながち否定はできない。
トンネル内にロボットカメラを仕掛けて、長い年月にわたって撮影しつづけたらオモシロイ結果が得られるだろう。津軽海峡を本来は生物が越せないといわれてきただけに、トンネルを開通させた関係者がロボットカメラのような発想に立って、トンネル内を見届けていくようなことをやってもいいのではないか。
 
エキノコックス症が日本ではじめて発見されたのは、1937年のことらしい。藤田紘一郎さんの「笑うカイチュウ」によれば、北海道の礼文島に千島のシンシル島からキタキツネの変種であるベニギツネ12匹を輸入し、島内に放し飼いにして毛皮生産を試みたらしい。そのベニギツネに「エキノコックス」がついていたのが、はじまりだそうな。
 
その後、国後島方面の北方領土から流氷に乗ってきたキタキツネがいて、北海道の道東地方にたどりついたものがエキノコックスを運んできたらしい。やがて、キタキツネやイヌ、ブタ、ヤチネズミなどを宿主として、北海道の全域に広まったとされる。
1999年には青森県でブタに感染しているのも発見されたそうだから、じわじわと本州を南下してくることが予想される。
長野県にもいつやってくるかは分からないが、それほど神経質になって恐れることもないだろう。しかし、そういう寄生虫がいることくらいは念頭においていてもよさそうだ。
というのも、毛皮目的で連れてこられたキツネがエキノコックスをもっていたのだし、関東地方で発見されたのは北海道にいたイヌが移動してきた結果だからであって、これらの問題は「人為的」によるところに注目すべきだからである。私たち人間の不注意で、思わぬところに発展していく可能性がいつでもどこにでもある、と思いたいからだ。
 
エキノコックス症になるのは、山野の生水を飲むことで卵が私たちの体内に入るからだといわれている。野生のイノシシは川の水に浸かって糞尿をすることを無情の楽しみとしている動物だから、ブタに感染するのならイノシシにもすぐに感染するだろう。もしそうなれば、関東から西日本にかけては、キツネやノネズミよりイノシシのほうが汚染を早く進めていく可能性もある。
 
昨日はイノシシの棲む山中の小川で、ボクは野生の「わさび」を採ってきた。いくつかの寄生虫が生わさびからも感染することが知られているから、今後はエキノコックス症まで心配しなければならないと思うとツライものがある。山わさびは生で食べてこそほんとうにうまいのだから、そうした楽しみも暗くなってしまうではないか。
もっとも死亡率の高いエキノコックス症といっても、宝くじに当たるより発症の確率は低いらしいから心配することも、ないのかもしれない。

 
青函トンネルの対岸では、キタキツネがふて寝をしていた。北海道のキタキツネの6〜7割がエキノコックスに感染中だとも、いわれている。




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