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●Gaku塾に連載の「gaku日記」の過去ログを掲載しています。


『きつね火』 (02月12日)

ボクの車を運転していたイトちゃんが、いきなりキツネのことを言い始めた。
 
イ『せんせえーよう、「きつね火」って、見たことあるかい・・?』
g『ないよ。』
イ『おれー 一回だけあるぜ。子供の頃だけどな。』
イ『暗闇で、チロッ、チロッっと、火の玉みたいに光るんさぁ。』
イ『夕方暗くなって、おばあさんちに行く途中で見たのさぁ。そのことをおばあさんに話したら
“そりゃー「きつね火」だぁー”って、いわれたぜ。』
イ『もう、今から50年も前になるなぁー。』
g『・・・・・・』
 
イ『「きつね火」っていっても、ありゃー「キツネ」の静電気だぜ。』
イ『交尾するときに、オスとメスがじゃれ合うじゃんかぁー。そのときに静電気が起きて光るんさ。』
g『じゃあ、今がチャンスじゃんか・・・』
イ『そう、今しか、見ることできねえぜぇ。』
 
イトちゃんはボクと一緒にいると、いきなりとんでもなくオモシロイことをいいはじめる。
「きつね火」のことなら、昔からたくさんの伝説がある。
しかし、その多くはキツネの嫁入りみたいな童話的な話しが主になり、「静電気」との関係は皆無だ。
だから、この「静電気」説は、ボクにも解せる。
 
しかも、伝説的な話しの時代には今日のように「電気」などのなかったころだ。
イトちゃんだって子供の頃に見ているのだから、当時は今より夜は限りなく暗かった。
現代でもキツネがいるのだから「きつね火」は見えてもおかしくない。それなのに見れないということは、社会が変わってきているからなのだろう。
町や村の夜間は電気照明などで明るくなり、人々も車に乗って一瞬のうちに通り過ぎてしまう時代となった。だから、たとえ「きつね火」が起きたとしても、見えにくくなってきているのだろう。
 
伊那谷ではちょうど今ごろの深夜、キツネが『フォン フォン 』っと、啼く。
聴き方によっては、『コン コン 』とも、聞こえる。
このときに闇に目を凝らせば、「きつね火」が見えるのかも知れない。

 
キツネの顔にも二つのタイプがある。口吻が長いのと、詰まった顔貌だ。この写真のキツネは、口吻が長いタイプ。




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