<番組放映のおしらせ>

情熱大陸(TBS) 
宮崎学 8月10日 PM11:00放映

春からずっと密着取材だった、情熱大陸の放送日が決まりました。
春の森、むささび荘、都会のけもの道、講演会場、仲間と飲む、おいたち...........etc ほんと日本中何処にでも取材スタッフがついてきた約4カ月。
TBS取材班の皆さんの取材にかける"情熱"には、私モモンガのほうが驚きでしたが・・。長期間に渡っての密着だったので、どんなふうに編集されてくるのかとても楽しみです。皆さんお見逃しなく・・・


取材中シーン(photo by/ stma
Web新連載が始まりました!

ヒトと自然の生き物たちの“境界線”

自然界の報道写真家・宮崎学氏のファインダーが捉えた、現代における人間と野生動物とのボーダーライン、そこから浮き出てくる自然界からのメッセージについて、氏の撮影による写真の数々と文章で綴る連載コラム。
>>第一回第1回 連載を始めるにあたって――視点を変えて自然を眺める
ECOJAPANにて、2週間に一度更新されます。ぜひご覧下さい  >>ECO JAPAN
ブログ新着 宮崎学の今日のヒトコマ (自然界の報道写真家gakuの写真日記)

やっぱり「GX200」は楽しいカメラだ…



リコーGXシリーズカメラは、ほんとうに使えるカメラだ。
GX、GX8、GRD、GRD?、GX100、GX200…と、すべて使ってきた。
これらのカメラは、いつも胸ポケットに入っており、ちょっとしたときにも撮影できるから重宝している。
もちろん、これらのカメラでの印刷物も何度も経験しているので、プロとして十分に使えるコンパクトカメラであることにはまちがいない。

こうしてメインとして使っていた「GX100」を、川に落としてしまった。
胸ポケットからぽろりと、滑り落ちてしまったのである。
すぐに引き上げたが再起不能となり、「GX200」の出番となった次第。

GX200は今月になって発売になったばかりだが、これがきわめて高機能なのには感心してしまった。
コンパクトカメラなのに、ニコンD2Xとほぼ同じ画素数で勝負できているし、これなら印刷物にも文句なく使っていける。
操作性はGX100とまったく同じなのも、いい。
もう、楽しくて仕方のないカメラである。



プロのボクは、基本的にはカメラが好きである。
だから、いろんな機種を使っているが、持っていてこんなにもうれしくなるコンパクトカメラというものも珍しいものだ。

写真上:ホタルブクロの花を真下から覗くと、とても新鮮な風景に見えてきた。
写真下:今後はボクの胸ポケットでメインとなっていくリコー「GX200」カメラ。

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ブログ新着 宮崎学のツキノワグマ事件簿 (ツキノワグマ最新取材記)

不気味なツキノワグマの唸り声

一昨日の夜だった。 ツキノワグマの不気味な唸り声を聞いて、一瞬氷ついてしまった。 それも、12mという至近距離だったからである。 近所の桜の名所となっている山麓公園に、昨年に引き続いてツキノワグマがサクランボを食べにきたのが7月7日。 以来3日続けてやってきていたが、出現予測に山を張っていたのがピタリと当たりボク自身は満足していた。 そのご、5日ばかりマークしていたが、クマは出現しなかった。 それでも、サクランボがまだまだたくさんあるので、いずれ出没するものと思っていた。 15日の夜8時ころ、ボクは市内を見下ろす展望台に乗って夜間撮影をしていた。 撮影も終わり、車へ引き返してから道路わきで小水をしていたのだ。 そのときに、道路を隔てたブッシュの中から『ウウウウウッ…』という、かすかな唸り声を聞いたのだった。 この声を聞いた瞬間、これはボクに対する唸り声ではなくて、子熊も一緒にいて、その子熊に静かにするようにと諭す声だとわかった。 素人ならば、ぜったいに聞き逃す小さな声だったが、自然界に普段から気配りをしているボクだから、これはツキノワグマの声だと一瞬にして判断できた。 しかも、あまりにも近い距離なので、ヤバイと思った。 ブッシュは真っ暗で、どこにクマがいるのかさえもわからない。 ここは、とっさに危険を回避するしかないと考えて、『ホホオーイ』と甲高い大きな声を出しながら車に飛び乗った。 その後、1時間ばかり運転席の窓から観察してみたが、殺気は徐々に薄らいでいくのがわかった。 クマの親子は、足音も立てずに、ブッシュから林のなかへと遠ざかったのである。 この出会いは、ボクだから回避ができたが、普通の人だったらきわめて危険な状態にあった。 場所が公園ということもあり、深夜までカップルがやってきたりしているからクマの存在を知らないまま道路に出てしまえば、事故に遭った可能性が十分にある。 まあ、環境を見る限り、どこにツキノワグマが潜んでいてもおかしくない場所だから、事故は自己責任であろう。 そのくらい、同じような環境ばかりがあるところだから、ツキノワグマの存在もセットになっていることをそろそろ一般人も認識してもいいからだ。 写真上:6時間以内にへし折った桜の枝。 写真下:8時間以内にやったサクランボ100パーセントの糞塊。

ツキノワグマが被害を与えるヒノキ林…

今年(2008年)の5月連休だった。 ボクは、南アルプス山麓にいだかれたある寒村へでかけた。 急峻な山中から森林を伐採するチェーンソーの音がしていたので、惹かれるように斜面を登っていった。 3人の山林労働者が、それぞれにエンジンチェーンソーで、樹木を次々に伐採していた。 それらの木は、ほとんどがカエデやブナなどの樹木たちだった。 樹齢は40−80年で、見事な森を形成していた。 面積にして5ヘクタールくらいが、すでに皆伐状態だった。 その隣には、前年度に伐採されたハゲ地面が広大につづき、そこには「ヒノキ」の苗木がすでに植林されていた。 休み時間になったので、伐採労働者と話をしてみた。 私   『ヒノキ植林のための伐採ですか?』 労働者 『そうさ、ねぇー』 私   『ここは個人の山なんですか?』 労働者 『そうだと思うけれど、我々は公団から頼まれてやっているだけだで、詳しくは知らない…      木を切れといわれれば切るし、植えろといわれれば植えるのが仕事だから…』 私   『倒した木は、現場に放置されているけれど、パルプにも使わないのですか?』 労働者 『ちゃんと資源を無駄にしないようにすればいいのだが、これらの木は運搬費のほうが高くつくので、このまま現場に放置なんじゃよ…』 私   『もったいないハナシ、ですねぇー』 労働者 『ほんと、我々もそう思うけれど、どうしようもないんじゃよ』 私   『ニホンジカ対策の防護ネットだけでも、たいへんな金額になりそうですね』 労働者 『これも、みんな経費は補助金がでてるからねぇー』 私   『ヒノキを植えても、近所のヒノキはみんなツキノワグマにやられているから、ここも20年後には全滅しますね』 労働者 『たぶんそうなると思うけれど、我々はそこまでは考える必要もないし…』 これだけ話をすれば、ボクには十分だった。 現代人は、自然から何も学んでいないことを再認識しながら、現場でボクは悲しくなった。 できれば、このまま50年以上も生き抜いて、この現場がどうなっていくかを自分の目で確かめたい気分だった。 年齢的にもそれができないから、ボクはせめても「視覚言語」となる写真だけは残しておこうと思った。 ここに来るまでに、ツキノワグマが植林ヒノキやスギを全滅状態にしている現場を見てきただけに、この伐採地にヒノキを植林しても、まちがいなく「全滅」するからである。 ヒノキを植えてはいけない地形と地盤だから、である。 それなのに、だれもそのことには気づいていない。 ほんとうに、愚かなことをやっている、と思った。 仕方ないから、何故ヒノキを植えてはならないのかといった理由を自分なりにきちんと写真に撮って残しておこう。 経済一辺倒できたこの半世紀の日本社会は、自然界から微妙なサインが出されているのに、それにはまったく気づこうとしなかった。 そして、今現在でも、超過疎地の山間の村で、このような愚挙が繰り返されている。 それを見て、よろこび、あざ笑っているのがツキノワグマとニホンジカたちであろう。 だからボクは、この先50年、100年に向けたメッセージを写真家として残すべきだと思っている。 写真上:広葉樹の森林が一瞬のうちに伐採されて、いた。 写真中:フェンスはシカ対策なのだが、これも補助金でまかなわれている。 写真下:地続きのヒノキ林ではクマ対策用にテープが巻かれていたが、被害が広がっていることをこのテープが物語っていた。

ツキノワグマはなぜヒノキの皮はぎをして枯らすのか…?

ここ数年、ヒノキやスギなどの人工林にも目を向けている。 これらの人工林は、自然界には「無駄」なような考え方をされている方も多いので、人工林の位置づけを自分なりに見てみたいからだ。 そんな人工林が、ツキノワグマによって樹木の皮をはがされて枯れ死するケースが近年になって増加している。 植林をして、20年、30年、50年という時間が経ってから熊にいきなり、枯らされてしまうのである。 これは、林業者にとっては甚大な損失になり、植林してからの時間がすべて無駄になってしまうことでもある。 自分なりに調査してみると、50年近く経ったすばらしいヒノキやスギ林が全滅しているところもある。 また、全滅まではいかなくても、3割、5割といった被害林も少なくない。 それなのに、まったく被害の出てない人工林もあるし、少しずつ小規模な被害が目立ちはじめている林もある。 このような被害に気づいている山林地主もあれば、まったく知らないまま日々過ごしているところもある。 ツキノワグマがこのように樹木の皮を傷つけるのには、それなりに理由があるにちがいない。 そうでなければ、生きている樹皮をわざわざ剥ぐこともないだろう。このような「皮?ぎ」には、実は2つのパターンがある。 樹木を枯らすためと、枯らさずに生かせていくためのパターンがあるからだ。 このパターンを見分けるのもクマの行動に理由のあることに気づくのだが、樹木を枯らすための皮?ぎは幹の全周を派手に?くからすぐに分かる。 生かせるためのパターンは、一箇所だけを傷つける、ことである。 樹木を枯らせるための皮?ぎ痕には、必ず甘皮を絞った「歯形」がついているのが特徴である。 これは、樹木が病気ないしは不健康な状態となり、木が生きるための自己防衛をはかり、樹液の糖度をあげている可能性がある。 そうなった樹木を、鼻のいいツキノワグマは外部から瞬間的に見抜き、樹皮を?がしてしまうからだ。 この行為は、弱った木から甘い樹液をいただきながら、樹木を「死刑」にしているのではないかと思う。 森を舞台に生きているツキノワグマだから、大切な森の住人である樹木を死刑にするということはそれなりに理由があるのだろう。 ここまで考えてみると、クマによる皮?ぎに遭いそうな人工林は土壌や樹木の健康調査を重ねることである程度の予測ができる気がしてならない。 ボクには、今後どのような環境下にある人工林がツキノワグマの皮?ぎ被害に遭うのか予想ができるようになった。 これには、ある共通のパターンがあり、このようなことは林業試験場とか林野関係者がすでに気づいていなければならないことだし、今後研究すればいいことなので、写真家がここで言及することもあるまい。 とにかく、写真家としての視点で人工林を見ていくと、「被害」に遭いそうな林とそうでない林がちゃんと見えてきているからだ。 これを立証するには、まだまだ時間がかかるだろうが、クマと森の関係がこうした皮?ぎ行動からでも明瞭に見えてくるのがボクには、実に面白いと思っている。 写真上:スギの幹の匂いを嗅ぐツキノワグマ。 写真中:立ち枯れてしまった樹齢25年ほどのヒノキの植林木。 写真下:皮?ぎ痕と歯形など。

松枯れ現象を歓迎するツキノワグマ

長野県でも、松枯れ現象がひたひたと進んでいる。 この30年間に、松林が完全になくなってしまったところもある。 また、今現在も順次進行中な山野はたくさんある。 このような松枯れは、1本、2本と枯れて、徐々に進行していくので、その変化にほとんどの人が気づいていない。 「ああ、松が枯れている…な」くらいの視点でみているだけで、その松が枯れてから倒木になり、それがどう変化していくかまで気をまわせるような人は、いないからである。 しかし、ツキノワグマの食痕などを見ていくと、この松枯れによって倒れてしまった枯れ木が、少なからずツキノワグマに食糧を提供していることがわかる。 ツキノワグマは、ドングリだけを食べていると思っている人は多い。 だが、何百種類もの食事メニューをもっている。 その一つには、初夏から秋にかけて倒木に巣食うアリや各種昆虫類をかなり好んで食しているからである。このような昆虫たちの棲家を提供しているのが、倒木なのである。 樹木は生きているときには、それなりに森を形成しながら意味もある。 その樹木が死んで倒木となってしまっても、こんどは生きている樹木たちの栄養源となるためにその使命をまっとうする。 そのプロセスで、多種多様な昆虫類が自然環境の湿度や乾度などのかね合いから微妙な活動を続け、死んでしまった樹木を大地に還すために蠢くからである。 これらの昆虫類が、ツキノワグマの貴重な食糧になるからだ。 そんなツキノワグマの食事痕が山野には数多くみられるから、マツクイムシによる松枯れ現象はある意味ツキノワグマには歓迎されている、と思っていいのである。 写真上:今年の3月、福井県で見た松枯れも見事だった。 写真中:枯木、倒木のツキノワグマ食痕。 写真下:マツクイムシを殺すためにビニールで囲って薬剤処置もするが、こうした薬剤もツキノワグマにとっては「良薬」になっている可能性もある。

マツクイムシとツキノワグマの生息地

「山をみて木を見ず、木をみて山を見ず」という言葉があるが、ほんとうにそういう人が現代の日本社会に増えていると思う。 国土の7割が山野といわれている日本で、列島全体を俯瞰してみれば、たしかにどこにでも山野山林がひろがっている。そんな山野を目の前にすれば、そこにどのような樹種が生えていて、樹齢はどのくらいになっているのか。そして、山野全体がどのような歴史と時間がかかっているのか。それらの山野が周囲とどのような関連でなりたっているのか。そうした山野に、たくさんの野生動物が生息していて、彼らは日々どのような生活をしているのか。 ボクは、絶えずこのように関連づけて、目の前に迫ってくる自然界を見てしまう。 たとえば、広島から近畿地方まで中国自動車道をひた走ってみる。 ここで目につく山野は、見事なドングリをはじめとする広葉樹の林ばかりだ。樹齢が30−40年たっていて、いまもっともさかんにドングリ生産も行われている山野にみえる。 これらの広葉樹のある山野は、30年前にはたくさんのアカマツがあった。 そのアカマツ林が、マツクイムシによって全滅をして、現在の姿になっている。 この30年間に、中国・近畿地方の山野は劇的に変化を遂げている、のである。 このようにアカマツから、ドングリ林を主体とする広葉樹に変化したことは、その山中では動物相も劇的に変化をつづけていることであろう。 写真家としてボクは、こうした環境変化にはいつも敏感になって注目したい。 だから、現地に暮らしていれば、「松枯れ」現象時代から今日の姿に移行するまでのプロセスに興味をもち、独自の視点で現在のドングリ林を見つめてみるであろう。 自然界とはそのくらい、日本中のどこでも日々変化をつづけているものであり、全国どこにいてもこうした視点で足下の自然を見て語ることは誰にでもできることだからである。 いや、それを各地でしなければならないのである。 それなのに、中央で発信されることだけが正しいと思い信じ込んでしまって、それぞれの地域の目の前にある自然を独自な視点で検証しようともしない。 日本の自然は一つではないのだから、それぞれの地方独自の見方をしなければならない、のにである。 Webなどをみていれば、現在では動物調査用に市販されている「自動撮影装置」もあるようだ。誰が使ってもそれなりに成果がでる、ようである。 それなのに、まったく結果が見えてこないということは、こんなにも簡単な装置すらも使い切れていないということであろう。身銭も切らない、独自の視点もない、撮影技術も観察技術も磨こうともしない、このような後ろ向きの人にはツキノワグマの行動なんて読めるものではない。 だから、自動撮影カメラをいくら仕掛けても、成果はあがらないものである。 30年間かかって、アカマツ林からドングリ林に大変化を遂げていることにも気がつかないようでは、ひっそりと潜行していくツキノワグマの「けもの道」だって見つけられないであろう。 それなのに西日本の山野からはツキノワグマが滅んでいくような表現ばかりが一人歩きをしていると、これはハッキリいって技術不足なのだと思ってしまう。 地域の自然をほんとうに見つめるには、それぞれの地域でスキル不足を高める努力をしてもらわなければ、ツキノワグマだってほんとうのところは困るからである。 写真上:松枯れのあとの落葉広葉樹のひろがりは、冬期間に山林野環境を遠望すれば一目で分かる。岡山神郷パーキング付近に広がるこの山野だって充分に調査対象になろう。 写真下:クルミの木にツキノワグマが登り、カマドウマがそっと幹下へ隠れる。こんな小さなドラマが日本中の山野では絶えず繰り返されていることだろう。

<ニュースです! H20年3月23日>
森のライブカメラ で、ムササビの赤ちゃんが誕生しました。(3/23日)むささび荘にしかけた巣箱の中で、ムササビ母さんが出産したようです。これからが楽しみですね。
森のライブカメラザ・ベストも更新されています。
森のライブカメラ から作成した動画をYoutubeにて公開中です!コメントもお待ちしてます。
スズメバチがムササビの巣箱に僅か一日で巣を作ってしまうことが、記録されています。この画像は、静止画としてキャッチされたものをつないで、動画にしたものです。(作成/ILLOMENさん)
>>ライブカメラベスト集  2007年8-9月 むささびホテル : ムササビ赤ん坊 蜂の巣事件  はこちらです

森のライブカメラ

写真集が発刊されました!!

「洗剤キャップの棲み心地は?」 ―かわりゆく環境・日本生き物レポート―

写真・文/宮崎 学 理論社

かわりゆく環境・日本生き物レポート
私たちのまわりで、動物たちはどうやって生活しているのか? 写真&文で伝える自然からのメッセージ。 身の回りの自然に目を向けてみよう。自然環境は、人の営みの影響から、日々変化し続けている。写真家・宮崎学の最前線レポート。>>かわりゆく環境・日本生き物レポート ここから購入できます

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