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gakuの今日のヒトコマ

秋田県でツキノワグマの6割を殺す…

20180120 

『秋田県でツキノワグマ推定生息数の6割を駆除捕殺』
https://www.asahi.com/articles/ASKDP5R4PKDPUBUB010.html

このことで、全国紙大手新聞社解説委員がオイラのところに見解を求めてきた。
新聞各社の記事をみれば、それはそれはほんとうにツッコミどころ満載で、どこのマスコミも答えを探しあぐねていた。

1) 秋田県での生息推定数の根拠…は?
2) 捕殺した817頭はほんとうに6割なのか? 
3) 生息数の1割だったかもしれないし、9割だったかもしれない。
4) 自然保護団体は猛烈に反対をしているけれど生息推定数を調べる具体的な技術もなく提示もできなければ、ただの「反対」では大衆の支持はえられない。
5) 生息数の把握なんて、国や県が森林税を使ってでもしっかり自信をもって行うべきだ。
6) マスコミも相変わらず10年以上も思考停止の「脳止」状態での記事のタレ流しでまったく進歩なし。
7) このような事態になるとクマ専門家や研究者は決まって「だんまり」を決め込む。
8) 「クマクール」+「マタミール」をきっちり使えば、かなりのツキノワグマ生息個体推定把握ができる。
9) オイラは10年以上も前にクマクールとマタミールを独自開発しているが、この装置で100頭、1000頭、10000頭…と撮影していけばビックリするようなホンモノの答えが出ることまちがいなし。
10) 撮影された写真を分析すればツキノワグマが「経産」か「童貞」、「処女」なのかも見えてくるし、それだけで地域個体群の将来的生産力把握だって可能となる。
11) ついでに、「クマクール」を応用してロボットアームなどを駆使すればDNAの追跡やらかなり深入りして日本のツキノワグマの生態研究にもなるのに、スキルがないとそうした発想力に辿りつけないのも悲しい。
12) 日本社会は1960年前半の第一回東京オリンピックを境にして、全国民のライフエネルギーが電気ガス石油に一斉シフトした。
13) それまで、1000年以上も薪炭で森を相手に日本の国家歴史が築かれてきた時間軸があるのに、木を切らず利用しなくなって山野を70年も放置すれば全国津々浦々まで「森林飽和」「森林過多」が猛烈に進んでいることに気づいていない…all。
14) 「山をみて木を見ず、木をみて山を見ず」というが、樹木ばかりで山野が豊かになれば森に依存している野生動物が激増するのはフードチェーンからみても「エコロジー」の基本である。
15) この現代において「シナントロープ」を考えられなければ、時代を追えず、人間社会変化をも追えず、まったくの思考停止状態の社会があまりにも嘆かわしい。
16) この10年間で全国紙マスコミのインタビューなどを受けてきたが、何回説明しても記者そのものが分かっていないから、いつまでたっても本当の思考性ある記事が書けない。
17) なので、日本のイマドキのツキノワグマはどんどん捕殺し続けてもいい。減ってくれば獲れなくなるのだから捕れるうちはどんどん殺していく発想に至ってもいい。イマドキ日本の国土は70パーセントが森林だし、あと30年もすれば80パーセントになるから、クマが獲れなくなればちゃんと自然回復もする。だから、殺し続けるのも「研究」だし「実験」でもあるから、やってみるべし。
18) マタギの名句に「山は半分殺してちょうどいい」、確かにその通りだからである。
19) そうそう、オイラの『となりのツキノワグマ』は名著だからね。あれだけの写真を一枚々々丁寧に読み解けば、一枚の写真のなかに原稿用紙でどれだけの言葉が紡ぎ出せるかでその人の自然認識度がわかるというもの。
20) そのようにオイラは写真を撮ってきているから、変な学者たちが机上で観念的に書いているツキノワグマ本より写真という現場からの“視覚言語”を分析できれば読める人には原稿用紙で何十枚と文章が書けると思うよ。
21) 「極意」とは、どれだけホンモノをみているのか、どれだけニセモノをみているのか…、そこに答えがあるからね。
22) 「黙して語らない自然界」を知る教科書なんてないのだから、自分自身がどこまで自然界とは何なのか、と関わり知る努力をすることではないのかねぇー。

オイラは、2時間のインタビューで記者にこう答えたが、発行して8年にもなる『となりのツキノワグマ』を書評で取り上げた全国紙はなかった。
それなのに、困ったときだけいろんな新聞社がタダで聞きにくるのだからすぐに忘れてしまうワケだ、ね。
ある全国紙なんて、4年も続けてインタビューにきていながら進歩的な記事が書けなかったので5年目にはとうとう断った、さ。



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ツキノワグマ事件簿

「黙して語らぬツキノワグマを探る…」、には

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昨夕、かねてから知り合いの全国紙科学部の記者から電話があった。

記者「宮崎さん、ツキノワグマはかなり多く生息していそうですね!」

gaku『いまごろそんなこと言っているんかい?
オイラは、ずっと一貫して、たくさんふつうにいる野生動物だと言ってきているのに。
写真家は、現場に立ってナンボだから、そんなこと他の野生動物と比べてみても分かること。』

記者「でもねぇー、研究者はどうしても“保護”したいから少なく見積もっているところがある。」

gaku『いや、そうじゃあないよ。
技術と自信と行動力と身銭を切らないから、「保護」といっていれば立場を守れると思っているだけさ。
とにかく、現場を分かってないんだよ、ね。
ツキノワグマを語るのに「生態学」だけしか頭にないから何も分からないんだよ。
野生動物の盛衰を語るにも、「現代社会学」「生理生態学」「死の生態学」さらには「時間軸」に加えた「人間心理学」…
そのどれもが必要で、複眼発想しながら総合判断すればツキノワグマをあぶり出すヒントはいくらでもある。
で、そこには自然を総合的に見つめて行動していく「センス」という直感力も必要になってくるんだけれど、ね。
センスさえあれば、研究者であれ保護を訴えている専門家だって、もっともっと新しい言葉で自然を語ることができるものなんだけれど。
なのに、相変わらずのドングリだとかハチミツのセオリーどおりの言葉しかない、じゃん。
写真だってこれほどカメラがすばらしく進歩してきているのだから、プロアマ問わず、刺激的で新しいものがどんどん世にでてきてもいいハズだと思う、よ。
発信しなければならない人がちゃんとしてないから、「獣害」といわれるサルやイノシシ、ニホンジカの増加にしても30年も遅れてしまい対策が手遅れとなっているんじゃあないのか、な?
ツキノワグマの今後がどうなるかって、社会学から追っていってもオイラにはすでに答えが見えているよ。
100年後の日本の山野がどうなっているのか、そのときツキノワグマがどのようなポジションにあるのか。
そのくらいの視野で、いま現在のツキノワグマを語らなければならないんだけど、ね。
マスコミの仕事も重大です、ぞ。』

記者「 ・・・・・・・・ 」

あはは、生意気ぐらいがちょうどいい。
このくらいはっきり言っても、社会は「怨嗟」としか捉えないからオイラはわが道を行くだけだけれど。
記者は、オイラの未発表の写真を借りたがっていたが、まだその時期ではないので丁寧でもないけれど言葉を濁した、のだった。
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写真上
山ガール、森ガールも増えてきて、ほんと心配してしまうくらいに山野に無防備で入る人が多くなってきた。
この女性も単独でこの森に入ってきたが、何が目的だったのだろう、か?
そこを歩くクマの親子だけれど、母親は「初産」らしく小さい。
初産の母グマの攻撃性は、いかに。

写真下
「森の手入れが行き届かないからクマを里に呼び寄せるのだ」
専門家のそんな進言もあって、行政は通学路や人家付近の木をどんどん切って明るくしたのだけれど。
そこを歩くクマにとっては「そんなの関係ねぇーや」、と闊歩中。
やっぱり、人間のやることは「気休め」、だけだな。

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森の動物日記

森の水場の60日

中央アルプスの山中に、水場を見つけました。
急斜面の尾根の中腹なので、そんなところに水が湧き出てるとは思いませんでした。
なのに、水は少ないながらもこんこんと湧いていたのです。
小さな水たまりもできていて、その溜はどうも動物たちがつくったように凹んでいました。

「こういうところなら、近所に暮らす野生動物たちの水場をめぐる物語があるにちがいない」

そう思った僕はさっそく、トレイルカメラという市販のカメラを設置して調べてみることにしました。
トレイルカメラはカメラと赤外線自動撮影装置がコンパクトなセットになったもので、最近はこのような便利なカメラが市販されるようになり、ロボット撮影も随分身近になってきました。

このカメラは一応防水仕上げになっていましたが、レンズに雨水が当たると映像にも影響がでるので、板で庇をつくって雨対策もしました。
こうして、二ヶ月近くカメラを放置してみたのです。
そして、その結果は、もう、夢中になるほどに面白いことばかりでした。
私たちが気がつかない時間帯や天候のなかで、野生動物たちがイキイキと活動していたのです。

私たち人間はもちろんそうですが、彼らも「水」は生きていくうえでとても大切なものとして、この場所を使っていたのでした。
あるものは水を飲み、あるものは水を風呂代わりにして、とにかくなくてはならないものとして生活に取り入れています。
イノシシやリス、シカは水を飲みにやってきます。
キジバトやカケスも水飲みや水浴びをしています。
あるときは、森のなかで滅多に出会えないオオコノハズクもやってきました。

こうして考えてみると、山で見る湧き水は水たまり一つにしても、あらゆる生物たちに必要とされていることがわかります。
無人カメラを設置してみて、夜間は赤外線撮影となりフラッシュなどが光らないために動物たちも安心して普段の生活を見せてくれました。
こんなに、知らないことが見えてしまうのですから、これはもう、ずっと観察してみるしかありません。
写真は撮影日時を入れてデータとしてわかりやすくしてみました。
トレイルカメラは夜になるとカラー撮影はできないので、夜の時間帯はモノクロになってしまいますが、2ヶ月間の記録をご覧ください。


(10月9日:水場にカケスがやってきました。カケスはほぼ毎日ここへ水を飲みききたり水浴をして再び森へ出かけていきました。)

(10月9日:夕方の18時34分といえば、秋の山はもう薄暗くなっています。そこへ、オオコノハズクがやってきました。オオコノハズクは夜行性なので、彼らにとっては朝ということになります。)

(10月9日:イノシシが水を飲みにやってきました。時間を見れば夜の11時半ころです。この時間、私たちは何をしているのでしょう…か。)

(10月11日:朝となって、サルたちが水を飲みにきました。朝一番の水で元気をつけているのでしょう。)

(10月12日:キジバトが水飲みにやってきました。倒れたこの枝は野鳥たちには大切な止まり木になっていたのです。)

(10月17日:大きな雄ジカが水飲みにきました。シカは秋が繁殖期なので、水を飲みながら元気をつけているに違いありません。)

(10月17日:リスも山の泉は水飲みに大切な場所です。)

(10月18日:また、オオコノハズクがやってきて水に入っています。午前3時の時間帯はオオコノハズクにとっては「夜シャワー」のつもりなのでしょう。)

(10月20日:大雨のなかカケスが水浴びをしています。雨が降っていてもカケスにとっては水浴びが必要なのでしょう。)

(10月20日:ヤマドリの夫婦がやってきました。雄は1m以上の長い尾羽根をもっていて目立ちますが、雌は地味な姿をしておりどこにいるのかわからないくらいです。)

(10月20日:夕方イノシシが水に浸かってますが、イノシシはこのようなところで小便を平気でしていきますから「水洗トイレ」にもしているのです。)

(10月21日:雄ジカは角があっていい表情をしていますが、中央アルプスには以前いなかったので確実に増えてきています。そして、秋が交尾期なので雄ジカはどんどん子種を蒔いているにちがいありません。)

 

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森のライブカメラ