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森の仲間コミュニティは、森の365日のファンの皆さんが、会員だけが集える場所で、安心してコミュニケーションをとっていただけるように用意したサイトです。カメラや自然や宮崎学が好きな方はどうぞご参加ください。gakuの裏日記も読めます!

パリ・カルティエ現代美術財団での写真展の様子です 詳しくはこちら

gakuの今日のヒトコマ

【動物が写ってないシリーズ  2 】 テンの足跡

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テンが用水路の縁をゆっくり歩いていた。
ゆっくり理由は、三つに並ぶ足跡。
この日は夜半に晴れ上がったが、それまでは小雪が舞っていた。
足跡のそれを見ると、テンはさらに前の日に歩いていたことがわかる。
足跡の大きさポイントは、ホウノキの枯葉をスケールにすればよい。

201701211616 与田切 テン RIMG0063

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ツキノワグマ事件簿

「黙して語らぬツキノワグマを探る…」、には

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昨夕、かねてから知り合いの全国紙科学部の記者から電話があった。

記者「宮崎さん、ツキノワグマはかなり多く生息していそうですね!」

gaku『いまごろそんなこと言っているんかい?
オイラは、ずっと一貫して、たくさんふつうにいる野生動物だと言ってきているのに。
写真家は、現場に立ってナンボだから、そんなこと他の野生動物と比べてみても分かること。』

記者「でもねぇー、研究者はどうしても“保護”したいから少なく見積もっているところがある。」

gaku『いや、そうじゃあないよ。
技術と自信と行動力と身銭を切らないから、「保護」といっていれば立場を守れると思っているだけさ。
とにかく、現場を分かってないんだよ、ね。
ツキノワグマを語るのに「生態学」だけしか頭にないから何も分からないんだよ。
野生動物の盛衰を語るにも、「現代社会学」「生理生態学」「死の生態学」さらには「時間軸」に加えた「人間心理学」…
そのどれもが必要で、複眼発想しながら総合判断すればツキノワグマをあぶり出すヒントはいくらでもある。
で、そこには自然を総合的に見つめて行動していく「センス」という直感力も必要になってくるんだけれど、ね。
センスさえあれば、研究者であれ保護を訴えている専門家だって、もっともっと新しい言葉で自然を語ることができるものなんだけれど。
なのに、相変わらずのドングリだとかハチミツのセオリーどおりの言葉しかない、じゃん。
写真だってこれほどカメラがすばらしく進歩してきているのだから、プロアマ問わず、刺激的で新しいものがどんどん世にでてきてもいいハズだと思う、よ。
発信しなければならない人がちゃんとしてないから、「獣害」といわれるサルやイノシシ、ニホンジカの増加にしても30年も遅れてしまい対策が手遅れとなっているんじゃあないのか、な?
ツキノワグマの今後がどうなるかって、社会学から追っていってもオイラにはすでに答えが見えているよ。
100年後の日本の山野がどうなっているのか、そのときツキノワグマがどのようなポジションにあるのか。
そのくらいの視野で、いま現在のツキノワグマを語らなければならないんだけど、ね。
マスコミの仕事も重大です、ぞ。』

記者「 ・・・・・・・・ 」

あはは、生意気ぐらいがちょうどいい。
このくらいはっきり言っても、社会は「怨嗟」としか捉えないからオイラはわが道を行くだけだけれど。
記者は、オイラの未発表の写真を借りたがっていたが、まだその時期ではないので丁寧でもないけれど言葉を濁した、のだった。
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写真上
山ガール、森ガールも増えてきて、ほんと心配してしまうくらいに山野に無防備で入る人が多くなってきた。
この女性も単独でこの森に入ってきたが、何が目的だったのだろう、か?
そこを歩くクマの親子だけれど、母親は「初産」らしく小さい。
初産の母グマの攻撃性は、いかに。

写真下
「森の手入れが行き届かないからクマを里に呼び寄せるのだ」
専門家のそんな進言もあって、行政は通学路や人家付近の木をどんどん切って明るくしたのだけれど。
そこを歩くクマにとっては「そんなの関係ねぇーや」、と闊歩中。
やっぱり、人間のやることは「気休め」、だけだな。

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森の動物日記

ノウサギの見つけ方

長野県伊那谷では、ここ数年来ノウサギが少しずつ見られるようになってきたと兼ねてから発信してきました。
30年ほど前の1980年代には、中央アルプス山麓ではまったく姿を消していたノウサギだったので、もう、絶滅してしまうのではないのかと思っていたのです。
それが、ここ5年ほどの間に雪の上にちらほらとノウサギ独特の足跡が見られるようになって、その後の動向が気になっていました。
それが、今年(2017年)はノウサギの足跡がいたるところで目撃されるのです。
もちろん、糞などもあります。
これは、ノウサギ完全復活と宣言してよいでしょう。

いまから50年ほど前の1970年前半までは、ノウサギはいたるところに生息していました。
中央アルプスのロープウェイのある県道では、夜間に車を走らせると、10kmほどの道のりだけで、多い夜には70頭ほども林道に飛び出してきたものです。
とにかく、ノウサギだらけでした。
それが、1980年代には同じ道路を走っても一頭も飛び出すことなく、雪道にもノウサギの足跡が目撃できませんでした。
そして、いつかは復活することを夢見ていたら、ここ数年の間に少しずつノウサギの足跡が見られるようになってきたのです。

このような現象から何が見えてくるでしょうか?
50年前、山は広大な面積を皆伐された直後で、植林されたばかりの幼木がいっぱい植わっていました。見渡すかぎりのハゲ山状態だったのです。
その時期にノウサギは大量に目撃されていました。
ボクは、木を伐ってハゲ山状態になったことが、ノウサギの生活をしやすくしていたと判断していました。
その植林木が、年と共に成長して、今では樹髙30mとか40mの大きな森林となりました。
この過程でノウサギは下藪の混成で視界を阻まれ、棲息するのに極めて不利になっていたと思われます。
とにかく、ノウサギは「脱兎のごとく」という言葉もある通り、外敵から逃れるために猛スピードで走ります。
森林の成長過程で、下藪がうっそうと茂る森では、ノウサギが走るには障害物が多くて、走ることができなくなってしまったといっていいでしょう。
このあと、山林は安定期となって林床も見通しがよくなってきたので、ノウサギが再び棲息可能になった、とボクは判断しています。

自然界は30年単位くらいで、植物などが盛衰を繰り返して動いているものです。
このような植物の動きはゆっくりなので気づきにくいものですが、日本社会全体のライフエネルギーが「電気、ガス、石油」となって半世紀以上たちます。
この間に人は山野の樹木を「生活燃料」としてまったく伐らなくなりました。
この過程でノウサギの棲めない森をつくっていたのです。

今回のノウサギの復活劇も、こうした30年スパンの一つに過ぎないと思うのです。
このあと、再び激増期を迎えて、30年ほどして、また衰退していく可能性もあります。
そこを見届けていくのが、私たち現代人の自然観なのではないのか、と思っています。

今回は写真を紹介しながら、自分たちの身近にノウサギがいるかどうかを発見するポイントを紹介します。


Photo:左側がノウサギの足跡だけど、これは向こうにむかって走っていく痕です。
ヒトの顔の目と鼻と口にたとえるならば、口と鼻の部分が前肢で目となるところが後ろ肢。まず、前肢を前後しながら着地して、そのあとに後ろ肢がやってきて着地する。
このときに後ろ足にはチカラをこめて蹴り進むから、この時点で前足はすでに地上を離れて次の着地点に向かう。
こうして前肢と後肢を繰り返し前後して進む動作を繰り返していることがわかる。
こんな足跡から、ノウサギの肢体の動きを想像してみるのも楽しい。
右側の足跡はキツネが数回同じところを前後して歩いた痕です。


Photo:これは、ノウサギがコチラへ向かってきた足跡。
後ろ足裏のほうが大きいので前後どちらに向かっているのかを知るには大きなポイントとなります。

Photo:冬は植物や樹木が樹液をあげていない時期にあたるから餌そのものに「水分」が少ない。このためノウサギの糞は乾燥していることが多いのです。
このように糞がまとまってたくさん残るのは「ため糞」なので、ノウサギが安心して長時間すごす重要な場所。
こうした糞のちかく100m以内には必ずノウサギの姿があります。

Photo:夏の山野では植物が活発な成長過程を繰り返すので、大地から水分をどんどん吸います。このため樹液の多い植物の葉や茎をノウサギが食べるので、糞には水分も多く葉緑素の多い黒色に近くなります。
これも、「ため糞」なのでこのような糞があれば近所に必ずノウサギが潜んでいます。


Photo:活動中のノウサギは便意を催すたびに糞をどこへでも落としていきます。
本来はそうした一粒の糞を見つけることのほうが多いのですが、一粒の温かい糞が新雪を溶かして沈んでいったのがこの写真。


Photo:植林されたヒノキ苗がノウサギに樹皮を齧られて茶色く枯れてしまった。


Photo:雪がなくても畑の土を柔らかく耕してあればノウサギの足跡は充分に観察されます。左がノウサギで右がキツネですが、この足跡はキツネに追われているノウサギと考えていいでしょう。
なぜならばノウサギの足跡の歩幅が1.5mほども離れているからです。
もちろん、キツネも走っていますね。

Photo:ノウサギの糞は個体によって大きさもまちまちですが、カタチはほとんど共通しています。この糞の大きさで、そこに棲むノウサギの年齢がおおよそ見当つきます。


Photo:ノウサギは単独行動をしますので、行動中はこのように一粒だけ糞を残していくことが多いものです。この糞の大きさを追跡していけば、個体によって大きさが違うのである程度の棲息頭数の見当もつきます。


Photo:冬のノウサギの糞が乾燥しているのでまったく臭いがしません。
触っても、とてもきれいですしどんなものを食べているのかにも興味がもてます。

Photo:早春にアサツキの茎を食べたノウサギの食痕。
冬の間にどんなにか緑の餌を待ちわびていたかがわかります。

 

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森のライブカメラ