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パリ・カルティエ現代美術財団での写真展の様子です 詳しくはこちら

gakuの今日のヒトコマ

『未来への風景写真』

2016/09/15

こうした風景を見てしまうと、どうしても写真に記録しておきたくなる。
撮影年月日と撮影場所だけ、きちんと記録しておけばいい。
耕作放棄地、黄金田、破竹林、30年生カラマツ植林地、そして中央にはコンクリート三面張りの水路…。

記録したかった理由は30年後の時間軸を考えると、二通りある。
1) このまま過疎と限界集落がつづき、あの黄金田も数年で消える可能性がある。
耕作放棄地からはこのあと樹木が生えてきて、どんどん林になっていく。
コンクリート三面張りの水路はやがて壊れ、本来あるべき自然の川に戻っていく。
竹林は、このあとどんどん増殖して野良竹藪となり勢力拡大をしていく。
その竹林は春にはタケノコを提供して、イノシシとサルとツキノワグマを育てる。
背後の植林地は、さらに森林化が進みカラマツも残るが他の樹木も繁茂してくる。

2) 都市直下型大地震ないしは大経済不況が起きて、現代人の思想に「大撹乱」が起きる。
このとき、再びこの地に「黄金田」が生まれるかもしれない。
「セルロースナノファイバー」なる素材開発が進み、背後の山林は一斉伐採の風景に変わるかもしれない。
そのときは、竹林も消えていく可能性がある。
野生動物たちはいちど極端に減少するが、再びまた勢力を盛り返して「獣害」も発生してくる。

写真の記録性は、これだから面白い。
こうした時間軸で分析検証できるから、写真のもつ視点は大切なのだ。
要するに、「腐る写真」と「腐らない写真」がある。
同じ時代に時間共有をするなら「腐らない写真」を撮っていったほうがオモシロイではないか。

201609131329 「セルロースナノファイバー」

 

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ツキノワグマ事件簿

「黙して語らぬツキノワグマを探る…」、には

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昨夕、かねてから知り合いの全国紙科学部の記者から電話があった。

記者「宮崎さん、ツキノワグマはかなり多く生息していそうですね!」

gaku『いまごろそんなこと言っているんかい?
オイラは、ずっと一貫して、たくさんふつうにいる野生動物だと言ってきているのに。
写真家は、現場に立ってナンボだから、そんなこと他の野生動物と比べてみても分かること。』

記者「でもねぇー、研究者はどうしても“保護”したいから少なく見積もっているところがある。」

gaku『いや、そうじゃあないよ。
技術と自信と行動力と身銭を切らないから、「保護」といっていれば立場を守れると思っているだけさ。
とにかく、現場を分かってないんだよ、ね。
ツキノワグマを語るのに「生態学」だけしか頭にないから何も分からないんだよ。
野生動物の盛衰を語るにも、「現代社会学」「生理生態学」「死の生態学」さらには「時間軸」に加えた「人間心理学」…
そのどれもが必要で、複眼発想しながら総合判断すればツキノワグマをあぶり出すヒントはいくらでもある。
で、そこには自然を総合的に見つめて行動していく「センス」という直感力も必要になってくるんだけれど、ね。
センスさえあれば、研究者であれ保護を訴えている専門家だって、もっともっと新しい言葉で自然を語ることができるものなんだけれど。
なのに、相変わらずのドングリだとかハチミツのセオリーどおりの言葉しかない、じゃん。
写真だってこれほどカメラがすばらしく進歩してきているのだから、プロアマ問わず、刺激的で新しいものがどんどん世にでてきてもいいハズだと思う、よ。
発信しなければならない人がちゃんとしてないから、「獣害」といわれるサルやイノシシ、ニホンジカの増加にしても30年も遅れてしまい対策が手遅れとなっているんじゃあないのか、な?
ツキノワグマの今後がどうなるかって、社会学から追っていってもオイラにはすでに答えが見えているよ。
100年後の日本の山野がどうなっているのか、そのときツキノワグマがどのようなポジションにあるのか。
そのくらいの視野で、いま現在のツキノワグマを語らなければならないんだけど、ね。
マスコミの仕事も重大です、ぞ。』

記者「 ・・・・・・・・ 」

あはは、生意気ぐらいがちょうどいい。
このくらいはっきり言っても、社会は「怨嗟」としか捉えないからオイラはわが道を行くだけだけれど。
記者は、オイラの未発表の写真を借りたがっていたが、まだその時期ではないので丁寧でもないけれど言葉を濁した、のだった。
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写真上
山ガール、森ガールも増えてきて、ほんと心配してしまうくらいに山野に無防備で入る人が多くなってきた。
この女性も単独でこの森に入ってきたが、何が目的だったのだろう、か?
そこを歩くクマの親子だけれど、母親は「初産」らしく小さい。
初産の母グマの攻撃性は、いかに。

写真下
「森の手入れが行き届かないからクマを里に呼び寄せるのだ」
専門家のそんな進言もあって、行政は通学路や人家付近の木をどんどん切って明るくしたのだけれど。
そこを歩くクマにとっては「そんなの関係ねぇーや」、と闊歩中。
やっぱり、人間のやることは「気休め」、だけだな。

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森の動物日記

オス?メス?野生動物たちの性別くらべ

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森で野生動物たちに出会うだけでもうれしいことです。
その動物たちがオスなのかメスなのかが分かると、さらに想像も膨らんで面白くなるものです。
しかし、そこまでなかなか分からないのが野生動物観察の難しさ…。
でも、少しはヒントをもって観察してみるという余裕もあれば、彼らだって教えてくれないこともない。
そこは、根気と知識と想像力と観察力にかかってくると思います。
こうして、少しでも雌雄が分かってくるとこれまた自然観察の楽しさも増します。
今回は、難しいけれど少しだけ野生動物の性別を見分ける方法を説明してみることにしました。

(1)ニホンザル

サルは群れで行動していることが多いから、雌雄の見比べができてすぐに判定ができます。大人のオスザルは秋になると睾丸が真っ赤に色づくので、きわめて目立ちます。
いかに男らしさ?の勝負をしているかも分かって面白いものです。
まあ、サルに関しては人間を想像していけばいいのです。

(2)ニホンジカ

シカは、オスに角がありメスにはないので容易に区別がつきます。
若いオスには枝分かれしない一本だけの角が生えますから、この特徴を覚えておけばいいでしょう。
もっとも晩冬から早春には角が落ちてしまいますが、ちょっとだけ季節をガマンすれば春から再び角も生えてきますので雌雄のちがいはわかります。
シカの角は毎年生えては落ちてを繰り返すことを覚えておくといいでしょう。

(3)ニホンカモシカ

カモシカは、牛の仲間なので角は雌雄ともにあります。
短くて小さな角ですが、これはカモシカにとって最大の武器なのでこの角を侮ってはいけません。
とにかく、猟犬をもカンタンに刺し殺してしまえるだけのパワーがあります。
このように、カモシカは雌雄に角があるため外観だけでは雌雄の区別がなかなかつきません。
そこで、時間がかかりますがじっくり行動観察を続けていると、放尿現場に出会うことがあります。このときのスタイルで区別がつきます。
オスは腰を若干低くする程度で放尿しますが、メスは腰をかなり低くして放尿します。
このちがいを知っておけば、遠くからの観察でも雌雄の区別をすることができます。

(4)ノネズミ

ノネズミは動きが素早いので雌雄観察の目視は不可能にちかいです。
このため、写真判定に持ち込むのですが、動きを止めた静止画だと比較的簡単に雌雄判定はできます。
オスのノネズミは精巣(矢印)が大きく膨らむことがありますから、そこがポイントです。
これに対して、メスはオスのような膨らみをもちません。

5)ツキノワグマ

クマの雌雄判定はきわめて難しい部類に入ります。
あの小さな尾が肛門からメスの性器までをも隠してしまうので、写真判定でもかなりの長時間観察と撮影テクニックが必要になってきます。
それでも、オスの場合には立ち上がったり角度によってはペニスと睾丸が見えますからそこで判定ができます。
また、メスは夏の発情期には陰部が腫れて大きくなりますから、このときが判定のチャンスとなります。

(6)ニホンリス

リスはネズミと同じく動きが速いので雌雄の判定は難しいですが、それでも枝先などで立ち止まってくれることがありますから区別ができないわけではありません。
オスの場合には正面から見るとペニスを見せてくれることがよくあります。
また、空中を飛ぶようなときには写真判定となりますが、オス(矢印)はメスにくらべて陰部が逆富士山のようになりますからかなり容易に区別がつきます。

(7)ヒグマ

ヒグマのメスの放尿シーン。恥ずかしそうに少ししゃがみます。
通常メスはかなり腰を低くして放尿しますが、オスはちょっと腰を落とすだけで高い位置から放尿します。
ツキノワグマとともにこのように放尿シーンに出会わないかぎり、ヒグマも雌雄判定は難しい野生動物といえます。

(8)チョウセンイタチ

カキの木を下ってくるチョウセンイタチですが、角度によっては睾丸(矢印)がよく目立ちます。
ニホンイタチでも同じことがいえますが、イタチは雌雄で体の大きさがかなり違いますのでそこを覚えておけば体型で区別がつきます。
オスのイタチはメスより二回り以上も体が大きいく行動的なので、一瞬の出会いでも雌雄の区別は可能となってきます。

(9)キツネ

木陰でキツネがそっと放尿しているのはメス。
キツネは犬の仲間なので、オス犬は片足をあげて放尿することが多いものです。これに対してメスは写真のように腰を低くして放尿します。
このちがいを犬などの観察を通して覚えておけば、フィールドでキツネの行動に出会っても雌雄の区別は容易につきます。

(10)リス

オスのリスは写真のようにときどき立ち止まってくれることがあり、そのときにはくっきりとペニスがみえます。
メスのリスにはこれがないので、このポイントさえ覚えておけば大丈夫です。

(11)テン

テンは、イタチの仲間なので雌雄判定はほぼイタチと一緒になります。
しかし、テンはイタチとちがって雌雄の大きさにあまり差がないので外見での区別はつきにくいものです。
写真のように、こうした角度から撮影ができるとオスには睾丸がありますので判定は可能です。

12)ヒメネズミ

巣穴に飛びこむ瞬間のヒメネズミのオス。
オスは写真のようにくっきりとペニスが見えます。
ヒメネズミのペニスは肛門から離れたところにありますね。このような角度の写真は滅多に撮れないので貴重です。

 

日本の野生動物は地味で警戒心も強く観察しにくいところもありますが、こうして、少しでも雌雄のちがいや行動などを見られると、また別な楽しみもでてきます。

それには各動物とその仲間たちの傾向を、あらかじめ知っておくと良いでしょう。
たとえば、タヌキはキツネと同じイヌ科なので、キツネやイヌに似た行動をしますから、そのような点に注意しながら観察していけば良いのです。

 

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森のライブカメラ